ミニ5ドア(F55)とは?
ミニ5ドア(F55)はミニ3ドアのデザインを踏襲しつつ、後部座席にもドアを装備し、トランクルームを拡大させたファミリー向けモデルです。ミニ3ドアのデザインは好きだけれど少し小さい、ファミリー向けの実用性があるミニが欲しい…そんなミニ好きの声に応えて登場したのがミニ5ドア(F55)と言えるでしょう。2014年10月のミニ5ドア登場前にも後部座席にもドアがあるモデルは第2世代のミニクロスオーバー(R60)などがありましたが、ミニ3ドアと同じ顔つきの5ドアモデルはミニ5ドア(F55)が初めて(※)です。
※ミニ3ドアと同じフロントマスクの第2世代のミニクラブマン(R55)は後部座席にドアが装備されていましたが、後部座席右側だけに小振りのクラブドアが装備されていたので5ドアモデルではありませんでした。
ミニ5ドア(F55)のデザインは内装、外装ともミニ3ドアと共通
ミニ5ドアとミニ3ドアは購入時によく比較されますが、フロントマスクやヘッドライトやウインカー、テールライト、トランク周辺など基本的なデザインは共通です。インテリアのデザインやオプションで選択できる装備も共通です(後部座席のみ5ドアは3名乗車なのでデザインがやや異なります)。
ミニ5ドアとミニ3ドアの主な違いはボディサイズの違いです。下記に比較表を掲載しますので、どちらの方が好みなのか、今の住環境に合っているのかイメージしてみてください。
ミニ3ドア(F56) | ミニ5ドア(F55) | |
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全長 | 3,835mm | 4,000mm |
全幅 | 1,725mm | 1,725mm |
全高 | 1,430mm | 1,445mm |
ミニ5ドアがミニ3ドアより全長が長いのは後部座席の足元を広く確保しているからです。全幅はどちらのモデルも同じですが、全高はミニ5ドアの方が15mm高くなっています。全高の違いも室内の広さを確保するための工夫となります。
ミニ5ドア購入者の30~40%弱が女性
他の輸入車メーカーに比べて、MINIは女性ユーザー比率が高いのですが、ミニ5ドア購入者の30~40%が女性です。同じフロントマスクを持つミニ3ドアやミニコンバーチブルでも女性ユーザーの割合はほぼ同じです。
ミニ5ドア ONE、クーパー(D)、クーパーS(D)のグレードの違いは?
ONE | クーパー | クーパーD | クーパーS | クーパーSD | |
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標準車両本体価格 | 284万円 | 340万円 | 353万円 | 407万円 | 420万円 |
ミニ3ドアには大きくわけてONE、クーパー、クーパーSの3つのグレードに分けられます。正確にはクーパーにディーゼルモデルのクーパーDが、クーパーSにもディーゼルのクーパーSDがあります。ミニ3ドアにはクーパーSの上に特別なスポーツモデルのジョンクーパーワークス(JCW)がありますが、ミニ5ドアには設定されていません。ミニ5ドアのグレード選びをわかりやすくするためにONE、クーパー、クーパーSの3グレードでまずは考えましょう。
MINIは基本的にグレードが上がるほど装備が充実する
ひとまずエンジン仕様については置いておきましょう。ミニONE、クーパー、クーパーSとグレードが変わるとエクステリア(外観)、インテリア(内観)に違いが出てきます。
わかりやすい点で言うとフロントマスクの違いでしょう。フロントグリルと呼ばれるフロントマスクの口の部分、このデザインがクーパー、クーパーSでは違います。クーパーはクロームが美しいメッキパーツがあしらわれたフロントグリルで、クーパーSはブラックメッシュのスポーティなグリルなのが特徴です。
ONE | クーパー | クーパーD | クーパーS | クーパーSD | |
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タイヤサイズ | 175/65R15 | 175/65R15 | 175/65R15 | 205/45R17 | 205/45R17 |
また、ミニONE、クーパー、クーパーSではホイールサイズが違います。ミニONE、クーパーは15インチホイール、クーパーSは17インチホイールを採用しています。違いを簡単に説明すると、15インチホイールの方が乗り心地がよく、タイヤ価格も手頃、17インチホイールはスポーティな走りが楽しめるものの15インチに比べるとややタイヤ価格が高いと考えてください。
※クーパーSはスポーティな走りが楽しめるタイヤを採用し、エンジンパワーもあるため、ブレーキやサスペンション性能が高いものが採用されています。
続いてインテリアを見ていきましょう。まずはシートから。ONEはファブリックのシートしか選べませんが、クーパー、クーパーSはファブリックかレザーのシートをオプション選択可能です。
グレード | ボディカラー |
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ミニONE |
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ミニクーパー・クーパーD |
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ミニクーパーS、クーパーSD |
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ボディカラーの選択肢もONE、クーパー、クーパーSで違います。標準で選ぶことができるボディカラーはどのグレードもペッパー・ホワイト、チリ・レッドの2種類ですが、オプションで選べるカラーはONEは5種類、クーパーは7種類、クーパーSは8種類となっています。
他にもONEとクーパー・クーパーSでは選ぶことができるパッケージ(オプションがお得なセットになったもの)の種類が違います。自分好みのミニ3ドアをデザインしていく際にONEだと選択肢が少し限られると考えてください。
ONEはガソリンエンジンのみ、クーパー・クーパーSはディーゼルエンジンも選択可
ONE | クーパー | クーパーD | クーパーS | クーパーSD | |
---|---|---|---|---|---|
標準車両本体価格 | 284万円 | 340万円 | 353万円 | 407万円 | 420万円 |
種類 | 直列3気筒DOHCターボ | 直列3気筒DOHCターボ | 直列3気筒DOHCターボ (ディーゼル) | 直列4気筒DOHCターボ | 直列4気筒DOHCターボ (ディーゼル) |
排気量 | 1498cc | 1498cc | 1496cc | 1998cc | 1995cc |
使用燃料 | ハイオク | ハイオク | 軽油 | ハイオク | 軽油 |
最高出力 | 102ps | 136ps | 116ps | 192ps | 170ps |
最大トルク | 190Nm | 220Nm | 270Nm | 280Nm | 360Nm |
グレードによってエンジンの選択肢が違います。ONEは1498ccのガソリン車のみ、クーパーは1498ccのガソリン車と1496ccのディーゼル車、クーパーSは1998ccのガソリン車と1995ccのディーゼル車を選ぶことができます。ONEのエンジンが非力なように思えるかもしれませんが、3つのグレードで比較すればパワーが落ちるだけであって、ONEの1498ccエンジンであっても高速道路での移動などをストレスなく走ることができるパワーは持っています。
※ONEとクーパーのガソリン車は1498ccと排気量は同じですが、エンジン出力、トルクが違い、クーパーの方が高性能です。
ガソリンとディーゼルのエンジンの違いについてですが、ディーゼルの方が燃費がいいイメージなのはご存知でしょう。他にも最高出力はガソリン車の方が上ですが、ディーゼル車の方がトルクが太い特徴があります。わかりやすく言うと低い回転数でもディーゼルエンジンの方が力強く走ると考えてください。ディーゼルエンジンのメリットが大きいように感じますが、同じグレードのディーゼル車はガソリン車より新車価格が13万円高く設定されています。
各グレードの詳細な仕様については下記カタログページをご覧ください。
結局、ミニ5ドアのグレードはどう決めればいい?
ミニ5ドアのグレード選びはオプションなどを比較し、ディーラーのセールスと細かく話し合いながら決めて欲しいのですが、参考までにアドバイスすると…
・ミニONE:パワーはそこそこでいい、オプションが少なくても費用を抑えたい
・ミニクーパー・クーパーD:上品な質感のミニが欲しい。自分好みのミニにカスタマイズもしたい
・ミニクーパーS・クーパーSD:パワフルでしっかり走るミニが欲しい。好みのミニにカスタマイズもしたい
このように考えてみてはいかがでしょうか。
ミニ5ドア(F55)のマイナーチェンジ年表
ミニ5ドア(F55)が登場したのは2014年10月で、これまでに2度のマイナーチェンジが行われました。こちらの記事は現行モデルの新車購入ガイドになりますので、マイナーチェンジでミニ5ドア(F55)がどう変わったのかについては別記事で紹介しますが、簡単に説明すると2018年と2021年に下記のようなマイナーチェンジが行われました。マイナーチェンジ前後でデザインやエンジンの排気量変更、エンジン種類の追加、トランスミッションの変更などが行われています。
年月 | マイナーチェンジ内容 |
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2014年10月 | ミニ5ドア(F55)が登場(クーパー、クーパーSグレードのみ)。 |
2014年12月 | ミニ5ドア(F55)ONEが国内販売開始 |
2016年4月 | ディーゼルエンジンが追加 |
2018年1月 | ミニONEのエンジン排気量が1200ccから1500ccに変更。トランスミッションも6ATから7DCT化。 |
2018年3月 | マイナーチェンジ発表。マイナーチェンジ後モデルの国内販売は5月から。マイナーチェンジ概要としてはヘッドライトデザインの変更、ユニオンジャックデザインのテールライト採用。ガソリンエンジンのトランスミッションを6ATから7DCT化。マルチファンクションステアリング、ドライビングアシストがワン以外のグレードで標準採用。 |
2021年3月 | フロントマスクデザインが大幅に変更。インテリアの各部デザインもアップデートされており、アダプティブクルーズコントロールが渋滞時のストップ&ゴーにも対応できるようになりました。 |
ミニ5ドアの特徴についてはおわかりいただけましたでしょうか?続いてはミニ3ドアのライバル車について考えていきましょう。
ミニ5ドア(F55)の最大のライバルはミニ3ドア(F56)
価格 | 全長 | 全幅 | 全高 | 乗車定員 | トランク容量 | 燃費 | 最高出力 | 最大トルク | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ミニ5ドア | 284万円~ | 4000 mm | 1725 mm | 1445 mm | 5人 | 278L | 17.5 km/L | 136 ps | 220 Nm |
ミニ3ドア | 267万円~ | 3835 mm | 1725 mm | 1430 mm | 4人 | 211L | 17.8 km/L | 102 ps | 190 Nm |
ミニ5ドアの最大のライバルは何と言ってもミニ3ドアです。前述したようにミニ5ドアとミニ3ドアはデザインは共通なため、比較ポイントは全長が16.5cm、全高1.5cm大きくなったボディサイズでしょう。ミニ5ドアは後部座席に3名座ることができ乗車定員が5名であること、トランクルームの広さがミニ5ドアは278Lと3ドアの211Lから広くなっているのも見逃せません。
フロントから見るとミニ5ドアとミニ3ドアには違いがありませんが、横から見ると全長16.5cmの差は明らかに違います。MINIへのこだわりが「できる限りコンパクトであること」でしたらミニ3ドアを選んだ方がいいかもしれません。ミニ5ドアの全長は4000㎜と一般的な車から見るとコンパクトな部類に入りますが、狭い路地が多い都心に住んでいる人はミニ3ドアの方が取り回しや駐車はしやすいでしょう。
ミニ5ドア(F55)の他社モデルのライバルは?
価格 | 全長 | 全幅 | 全高 | 乗車定員 | 燃費 | 排気量 | 最高出力 | 最大トルク | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ミニ5ドア(ONE) | 284万円~ | 4000 mm | 1725 mm | 1445 mm | 5人 | 17.5 km/L | 1498 cc | 102 ps | 190 Nm |
BMW 1シリーズ(118i) | 337万円~ | 4335 mm | 1800 mm | 1465 mm | 5人 | 16.8 km/L | 1498 cc | 140 ps | 220 Nm |
フォルクスワーゲン Polo(TSIトレンドライン) | 229万円~ | 4060 mm | 1750 mm | 1450 mm | 5人 | 19.3 km/L | 999 cc | 95 ps | 175 Nm |
アウディ A1(1.0TFSI) | 249万円~ | 3985 mm | 1740 mm | 1425 mm | 4人 | 22.9 km/L | 999 cc | 95 ps | 160 Nm |
スズキ スウィフト(XG) | 153.56万円~ | 3845 mm | 1695 mm | 1500 mm | 5人 | – km/L | 1242 cc | 91 ps | 118 Nm |
続いて他社のライバル車を見ていきましょう。BMW1シリーズとミニ5ドアでは実は1シリーズの方が30㎝以上全長が長くなっています。全幅でも1シリーズの方が7.5㎝大きいため、ボディサイズで選ぶならミニ5ドアが優勢になるでしょう。
フォルクスワーゲン Poloやアウディ A1はサイズ的にはほぼミニ5ドアと同じです。同じプレミアムコンパクトカテゴリのモデルですが、MINI選びの際に比較されることは思ったほどありません。MINIはフロントマスクなどの他社にない特徴的なデザインであるため、他メーカーの車のライバルは実はあまりないのです。
スズキ スウィフトは価格帯や車の質感が違うため、比較されることは滅多にありませんが数値などの参考までに紹介しました。
ミニ5ドアが2024年にフルモデルチェンジって本当?
2023年より続々登場すると噂されている次世代モデルのミニですが、少し前まではミニ5ドアは廃止になるという噂がありました。しかし、ミニ5ドアは次世代モデルでも存続するのは確定のようです。ミニの全ラインナップの中でもっとも売れているモデルですから、さすがに廃止とはならなかったのでしょう。
上記映像の38秒あたりから次世代ミニ5ドアのスパイショット画像が公開されています。フロントグリルのデザインなど、現行のミニ5ドアの基本的なデザインは踏襲されているようですが、細かな仕様やデザインについては2023年秋あたりから徐々に情報が出てくるのを待ちましょう。