ミニ3ドア・ミニ5ドアのマイナーチェンジは2018年、2021年に2度行われた
ミニ3ドア(F56)は2014年4月発売、ミニ5ドア(F55)は2014年10月発売と2モデルは販売開始時期は多少ずれていますが、2018年3月と2021年3月の2度のマイナーチェンジが実施されたタイミングは同じです。ミニ3ドアと5ドアは全長や後部座席のドアの有無以外は共通点が非常に多いモデルなので、マイナーチェンジのタイミングが同じなのは驚くことではありません。
上でマイナーチェンジは2度とご紹介しましたが、2016年4月には「ディーゼルエンジンの追加」、2018年1月には「ONEグレードのエンジンが1200ccから1500ccに変更。トランスミッションが6ATから7DCT化」されるなど、注目すべき仕様変更も行われています。しかし、こちらの記事では2018年3月と2021年3月のマイナーチェンジに絞って解説します。
2018年3月のマイナーチェンジでミニ3ドア・ミニ5ドアは何が変わったか?
2018年3月のミニ3ドア(F56)、ミニ5ドア(F55)のマイナーチェンジで実施された主な変更は下記になります。
- 新デザインのエンブレムに変更
- ヘッドライトのデザインが変更
- リアのLEDテールライトがユニオンジャックデザインに変更
- 「ピアノブラックエクステリア」のオプション装備が追加
- 新デザインのホイールが追加
- エンジンの排ガス性能、燃費が改良
- エンジンカバーをカーボンファイバー強化プラスティックに変更され軽量化
- クーパー、クーパーSのガソリンモデルのミッションが6速ATから7速DCTに変更(ONEのみ2018年1月から実施)
- ナビがタッチスクリーンに対応
- 外部入力(AUX IN)が廃止
エクステリアの変更点は写真を見比べた方がわかりやすいので、下記の比較写真をご覧ください。左がマイナーチェンジ前、右がマイナーチェンジ後になります(クーパーSで比較)。
2018年3月のミニ3ドア(F56)、ミニ5ドア(F55)のマイナーチェンジは後述する2021年3月のモノに比べると劇的なデザイン変化はありません。ミニオーナーでなければ、マイナーチェンジ前後のデザインの違いがわからないかもしれません。
2018年3月のマイナーチェンジについてはトランスミッションが以前から要望の多かった7速DCTが採用されたことに注目してください。それ以前の6速ATがダメというわけではありませんが、スムーズな走りを実現してくれる改良点と言えるでしょう。
その他、ナビがタッチ対応したこともオーナーには嬉しい点ですね。地味なところで外部入力(AUX IN)が廃止された点に不満を持つ人も稀にいますが、ナビにスマホをUSBやBluetoothで接続することで音楽再生は可能なのでご安心ください。
2021年3月のマイナーチェンジでミニ3ドア・ミニ5ドアは何が変わったか?
2021年3月のミニ3ドア(F56)、ミニ5ドア(F55)のマイナーチェンジで実施された主な変更は下記になります。
- フロントグリルが大型化され、デザインが一新。フロントマスクの印象が大幅に変化
- LEDヘッドライトのインナーカラーがブラックに変更
- フロントバンパーのデザインが変更
- ポジションランプとフォグランプが無くなり、ヘッドライトに機能統合
- フロントグリルの左右に縦スリット型のエアカーテンを新設して空力性能が向上
- リアバンパーのデザインが変更
- サイドスカットルがLED化され、デザインも変更
- LEDヘッドライトとユニオンジャックデザインのLEDテールライトが全グレードで標準装備に
- 電動式パーキングブレーキをクーパーSに採用(ONE、クーパーではオプション)
- アクティブクルーズコントロールにストップ&ゴー機能が追加
- レーン・ディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告)機能を初採用
- マルチディスプレイメーターパネル(液晶メーター)をクーパー、クーパーSに採用(JCWにはすでに採用されていた。ONEには不採用)
エクステリアの変更点は写真を見比べた方がわかりやすいので、下記の比較写真をご覧ください。左がマイナーチェンジ前、右がマイナーチェンジ後になります(クーパーSで比較)。
2021年3月のミニ3ドア(F56)、ミニ5ドア(F55)のマイナーチェンジはデザイン面で大きな変化がありました。全体的にクロームパーツが減り、やや精悍さを増す方法でのデザイン変更です。上記写真を見比べて最初にわかるのがフロントグリルの大型化です。マイナーチェンジ前はクロームの美しさが特徴的だったクーパーでも、フロントグリルのクロームパーツが大幅に減っており、フロントマスクのデザインはマイナーチェンジ前後で好みが分かれるでしょう。リア側を見てもマイナーチェンジ後にクロームパーツが大幅に減っているのがわかりますね。
2021年3月のミニ3ドア(F56)、ミニ5ドア(F55)のマイナーチェンジは機能面での改良も数多く実施されています。高速道路の渋滞でノロノロ運転に遭遇することが多い人にはアクティブクルーズコントロールに時速30km以下でも作動するストップ&ゴー機能が追加されたのは嬉しいはず。
ミニ3ドアのフルモデルチェンジは2024年に実施
最後に現行の第3世代ミニ3ドア(F56)のフルモデルチェンジについて触れておきましょう。ここ数年、メーカーからの情報リークが続き、2023年9月には電気自動車の次世代ミニ3ドア(J01)の公式リリースが発表されました。2024年に全世界で販売開始しており、2024年夏頃から納車が開始される予定です。
上記が第4世代ミニ3ドアのEV(電気自動車)モデルの公式発表写真です。フロントグリル形状などは、第3世代ミニ3ドア(F56)の最後のマイナーチェンジ後のデザインを踏襲していますが、テールライトデザインがミニ伝統の縦型形状から現代的なモノに変更されています。
ミニには各モデルごとに開発コードというモノが振られています。例えば、第2世代ミニ3ドアだとR56、第3世代ミニ3ドアだとF56、第3世代ミニ5ドアだとF55となります。フルモデルチェンジされる第4世代ミニ3ドアの場合、電気自動車のミニ3ドアがJ01、それ以外のエンジン搭載モデルの第4世代ミニ3ドアの開発コードはF66となっています。このことからわかるように、第4世代ではEVのミニ3ドアとエンジン搭載モデルのミニ3ドアは別モデルとして扱われているようです。
ちなみに、従来のモデルではフルモデルチェンジされたミニは、第2世代ミニ3ドアのR56から第3世代ミニ3ドアになるとF56と頭のアルファベット表記が変更されたように世代が変わるとアルファベット表記も変わるのが通常です。しかし、第4世代ミニ3ドアのエンジン搭載モデルはF66と「F」が踏襲されています。これは、2030年までにエンジン搭載モデルの新車販売を終了する計画をミニが持っており、第4世代ミニ3ドアのエンジン搭載モデル(F66)のエンジンは新規開発が行われておらず、現行の第3世代ミニ3ドア(F56)の改良版となっていることから「F」を冠する開発コードとなっているのではないでしょうか。