ミニクロスオーバー(R60)とは?
初代ミニクロスオーバー(R60)は2011年〜2016年まで販売されていたMINI初のSUVモデルです。2017年より現行モデルの2代目ミニクロスオーバー(F60)が販売されており。2代目はデザインこそ初代モデルを受け継いでいるものの、ボディサイズが大幅に大型化されました。そのため、初代ミニクロスオーバー(R60)と2代目ミニクロスオーバー(F60)はサイズの違いから、比較検討されることがあまりありません。
中古車選びの観点から初代ミニクロスオーバー(R60)を見ると、販売終了から5年以上経つモデルのため新車価格が300万円台だった車両が100万円台で購入できるのが魅力です。現行モデルよりコンパクトとは言え、必要十分な積載性と室内の広さ、充分なパワーと現行モデルに負けない燃費など、今での中古車市場で人気なのも納得です。
初代ミニクロスオーバー(R60)と2代目ミニクロスオーバー(F60)のスペック比較
参考までに初代ミニクロスオーバー(R60)と2代目ミニクロスオーバー(F60)の主要なスペックを比較した表を下記に記載します。どちらもクーパーSDのグレードの数値で比較しています。
R60 クーパーSD(後期型) | F60 クーパーSD | |
---|---|---|
全長 | 4,105mm | 4,315mm |
全幅 | 1,790mm | 1,820mm |
全高 | 1,550mm | 1,595mm |
ホイールベース | 2,595mm | 2,670mm |
トランスミッション | 6AT | 8AT |
車両重量 | 1420kg | 1680kg |
排気量 | 1998cc | 1995cc |
燃料タンク容量 | 47L | 61L |
最高出力 | 143ps | 190ps |
最大トルク | 305Nm | 400Nm |
最小回転半径 | 5.8m | 5.4m |
タイヤ | 205/55R17 | 225/50R18 |
現行モデルの全長が20cm以上大きくなったことに注目が集まりがちですが、現行モデルはトランスミッションが8速ATだったりと細部の改良も進んでいますね。室内空間の拡大とミッションやエンジン性能の向上など、スペックだけを見ると現行モデルの良い点ばかり目につきますが、狭い道が多い場所に住んでいる、駐車スペースが狭いなどの事情がある人にとっては初代ミニクロスオーバー(R60)のコンパクトなサイズは魅力的でしょう。
ミニクロスオーバー(R60)のマイナーチェンジ年表
年月 | マイナーチェンジ内容 |
---|---|
2011年1月 | ミニクロスオーバー(R60)登場。初期のミニクロスオーバーは4名乗車モデルで、オプションのベンチシートをオーダーすれば5名乗車モデルに変更可能だった。 |
2013年 | 従来4名乗車モデルだったが、2013年から標準で5名乗車モデルに変更 |
2014年9月 | マイナーチェンジ実施。フロントグリルがやや精悍なデザインに変更されました。クーパーとクーパーSにクリーンディーゼルモデルのクーパーD、クーパーSDが追加。 |
ミニクロスオーバー(R60)は2011年の登場から2016年にかけて上記のような仕様変更がありました。この中で、もっとも重要なのが2014年9月のマイナーチェンジですが、それは次の章で解説します。
ミニクロスオーバー(R60)の前期型(2014年8月まで)、後期型(2014年9月~)の違い
- フロントグリルのデザインを一新
- ALL4モデルはアンダーガード(前後左右)が標準装備
- 新デザインの17インチホイールを採用
- LEDフォグランプ(デイライト)を採用
- ルーフとドアミラーのコントラストカラー塗装を採用
- スピード、タコメーターの文字盤がホワイトからダークカラーに変更
2014年9月以降の後期モデルに実施されたマイナーチェンジでの主な変化は上記の通りです。上記以外にボディカラーに新色の追加があったり、ヘッドライトやテールライト周りにピアのブラックのオプションパーツ設定が追加されたりなどの変化もあります。
このマイナーチェンジについて、3つの観点から解説していきましょう。
ガソリンエンジンは前期型でも第2世代後期型の改良タイプエンジンを搭載
2代目のミニ3ドア(R56)では前期型(2009年まで)と後期型(2010年以降)でエンジン性能に違いがあり、後期型のエンジンの方が信頼性が高いとされています。しかし、ミニクロスオーバーの場合、2011年の登場時点で改良された(ミニ3ドアでいう)後期型のエンジンが採用されています。このため、エンジンの信頼性の観点で前期型を避ける必要はありません。
前期型はやや上品なデザイン、後期型はワイルドなデザインに進化
上記写真は左側が2011年の初期型、右側が2014年9月以降の後期型の写真で、どちらもクーパーSになります。フロントグリルのデザイン変更は一番上の2枚の写真のグリル中央部にあるルーバー(ラジエーターに付いているバー)に注目してください。初期型にはルーバーがなく、後期型はクロームのルーバーが追加されました。クーパーグレードでは初期型が2本のルーバーが設置されているのに対して、後期型はデザインの違う3本のルーバーが採用されています。
ディーゼルエンジンが選択可能なのは後期型のみ
2014年9月以降の後期モデルからミニ初のディーゼルエンジンモデルがクーパー、クーパーSのグレードに追加されました(ONEは後期型もガソリンエンジンのみ)。後期型のミニクロスオーバーではクーパーのグレードはクーパー、クーパーD、クーパーD ALL4の3つの選択肢がありますが、クーパーSグレードではクーパーSD ALL4の選択肢しかありません。ガソリンエンジンのクーパーSが欲しい方は前期型から選ぶようにしてください。
ミニクロスオーバー(R60)の中古車相場は?いくらくらいするの?
2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | |
---|---|---|---|---|---|---|
450万円以上 | 1 | 1 | ||||
330万円~ | 1 | |||||
290万円~ | 2 | |||||
270万円~ | 2 | |||||
250万円~ | 1 | 1 | 1 | 3 | 3 | |
230万円~ | 2 | 1 | 6 | 10 | ||
210万円~ | 1 | 6 | 8 | 7 | 10 | |
190万円~ | 1 | 1 | 1 | 5 | 12 | 23 |
170万円~ | 1 | 3 | 6 | 17 | 20 | 19 |
150万円~ | 4 | 7 | 13 | 28 | 29 | 15 |
130万円~ | 18 | 23 | 20 | 26 | 7 | 2 |
110万円~ | 13 | 37 | 21 | 23 | 5 | |
90万円~ | 22 | 26 | 9 | 11 | 3 | |
70万円~ | 22 | 36 | 12 | 7 | 1 | |
50万円~ | 9 | 12 | 4 | |||
50万円未満 | 1 | 3 |
上記表は2021年7月時点でのミニクロスオーバー(R60)の中古車相場です。生産終了から5年近く経っていますが、中古車の玉数は645台と豊富な選択肢から選ぶことができます。中古車の中心価格帯は100万円台で、前期型なら100万円台前半、100万円以下で中古車を探すことも可能です。ただ、注意して欲しいのは2011年~2012年にかけてのミニクロスオーバーはオプションのベンチシートを装備していないモデルは4名乗車だという点です。逆に言えば、乗車定員が4名で問題無いという方は2012年までのモデルに絞って探せば、手頃な価格で購入できるでしょう。
ちなみに、ミニクロスオーバーの兄弟車には後部ドアのないクーペSUVのミニペースマンというモデルもあります。ミニクロスオーバーに比べると中古車の玉数は少ないですが、ミニクロスオーバーに比べると同グレード、同走行距離でもさらに手頃な価格で購入できるでしょう。