2021年全国MINI最優秀ディーラーに質問しました!
回答者:MINI西東京 セールスコンサルタント 松谷健介(まつや けんすけ)
23歳。埼玉県浦和市出身。小学校~高校までサッカーに夢中になるものの怪我で引退。引退後は登山とキャンプにハマり、休日は愛車のクーパーSD クラブマンでアウトドアな休みを楽しむ若手セールスコンサルタント。
MINI西東京
住所:東京都東久留米市弥生1-1-36(地図)
電話:042-462-3298
営業:10:00~18:30(土日は9:30オープン)
定休:火曜
Webサイト:MINI西東京
- 1. 2030年代初頭にMINIのラインナップは電気自動車(EV)だけになる?
- 2. BMWは1991年に初EV「E1」を発表していた
- 3. ミニの電気自動車「MINI E」は2011年に日本でも実証実験を行っていた
- 4. 現在販売中のミニクロスオーバー クーパーSEはPHEV(プラグインハイブリッド)
- 5. 海外で販売中のピュアEV、ミニ3ドア クーパーSEはどんなモデル?
- 6. ミニ3ドアクーパーSEの充電にかかる時間はどのくらい?
- 7. ミニ3ドアクーパーSEの家庭用充電設備設置にいくらかかる?
- 8. 出先での充電スポットは充分な数はあるの?
- 9. ミニ初のピュアEV ミニ3ドアクーパーSEの日本導入はいつ?
- 10. BMWが実現したクラシックミニをEV化するプロジェクト
- 11. 第4世代の電気自動車(BEV)、ミニ3ドアクーパーE/SE(J01)が発表
2030年代初頭にMINIのラインナップは電気自動車(EV)だけになる?
2021年3月にBMWから発表されたプレスリリースで「2030年代初頭にMINIをピュアEVブランドにする」と発表されました。計画通り進むのなら、10年もすればガソリンエンジン、ディーゼルエンジンのミニが購入できなくなるというワケです。
BMWの計画では内燃機エンジン(ガソリン・ディーゼルエンジン)を搭載するニューモデルは2025年導入モデルが最後で、それ以降に発表されるモデルはすべて電気自動車(EV)だけになる予定とのこと。ミニのデザインが好きな人にとっては内燃機エンジンを搭載するかどうかは大きな問題ではないかもしれませんが、ミニのエンジンに魅力を感じている人はヤキモキしているのではないでしょうか。
そこで今回はミニの電気自動車(EV)の開発の歴史と、現在導入中のEVモデルの特徴や魅力についてご紹介します。
BMWは1991年に初EV「E1」を発表していた
BMW社は約40年前から電気自動車(以下、EV車)の研究開発を続けてきました。特にEVという言葉も浸透していない1991年に衝撃のデビューを飾った「E1」のニュースは、全世界を駆け巡りました。バッテリーのパワーや耐久性も不十分であった時代にも関わらず、BMW E1は最高速度120km/h、航続距離は200km(エアコンを使用すると100-150km程度か)という性能を持っていました。
ミニの電気自動車「MINI E」は2011年に日本でも実証実験を行っていた
ミニでの電気自動車開発は第2世代ミニの頃にすでに走行テストが行われていて、2011年には日本国内でもMINI Eの公道での実証実験が行われていました。
現在販売中のミニクロスオーバー クーパーSEはPHEV(プラグインハイブリッド)
海外ではピュアEVモデルのミニ3ドア クーパーSEが2019年末より生産開始、2020年からデリバリーがスタートしています。しかし、日本国内には未導入で、国内ではPHEV(プラグインハイブリッド)のミニクロスオーバー クーパーSEのみが販売されています。
ミニクロスオーバー クーパーSEはPHEVでBMWがこれから精力的に導入していくピュアEVモデルではありませんが、参考までにガソリンエンジンモデル、ディーゼルモデル、PHEVモデルの販売価格やスペックなどを下記表で比較します。
クーパーS ミニクロスオーバー(新車販売終了) | クーパーSD ミニクロスオーバー ALL4 | クーパーSE ミニクロスオーバー ALL4 | |
---|---|---|---|
標準車両本体価格 | 473万円 | 515万円 | 515万円 |
駆動方式 | FF | フルタイム4WD(ALL4) | フルタイム4WD(ALL4) |
車両型式 | 3BA-YW20 | 3DA-42BT20 | 3LA-22BS15 |
車両重量 | 1550kg | 1680kg | 1770kg |
エンジン種別 | 直列4気筒DOHCターボ | 直列4気筒DOHCツインターボ (ディーゼル) | 直列3気筒DOHCツインターボ+モーター |
排気量 | 1998cc | 1995cc | 1498cc |
トランスミッション | 7AT | 8AT | 6AT |
使用燃料 | ハイオク | 軽油 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 61L | 61L | 36L |
最高出力 | 192ps | 190ps | 136ps |
最大トルク | 280Nm | 400Nm | 220Nm |
燃費(JC08モード走行) | -km/L | 20.8km/L | 17.6km/L |
ディーゼルモデルとPHEVモデルの販売価格が同じ515万円になっていますが、これはPHEVモデルを普及させていくため、戦略的に価格を下げて販売しているのだと思われます。PHEVモデルはガソリンエンジンとモーター駆動用のバッテリーを搭載しているため、車両重量がディーゼルモデルより90kgも重くなっています。
PHEVモデルに搭載されているガソリンエンジンは出力やトルクのスペックを見る限り、直列3気筒のクーパーのエンジンが採用されているようです。ガソリンエンジンのクーパーSには直列4気筒のエンジンが搭載されるのが通常ですが、モーターとバッテリーで増えた重量を軽減するために軽量な直列3気筒エンジンをPHEVに搭載したのでしょう。
海外で販売中のピュアEV、ミニ3ドア クーパーSEはどんなモデル?
続いて、2020年からヨーロッパやアメリカで販売されているピュアEVモデルのミニ3ドア クーパーSEのスペックを紹介しましょう。比較するためにガソリンエンジンのクーパーS、ディーゼルモデルのクーパーSD(国内販売終了)の価格やスペックも併記したのでご覧ください。なお、ミニ3ドア クーパーSEの価格比較のために、すでに販売中のアメリカでの価格も紹介しています。
クーパーS | クーパーSD(新車販売終了) | クーパーSE(国内未導入) | |
---|---|---|---|
標準車両本体価格 | 401万円 | 403万円(新車販売終了) | – |
アメリカでの販売価格 | $26,900(約305万円) | – | $29,900(約340万円) |
車両重量 | 1270kg | 1310kg | 1440kg |
エンジン種別 | 直列4気筒DOHCターボ | 直列4気筒DOHCターボ (ディーゼル) | BMW eDriveテクノロジー |
排気量 | 1998cc | 1995cc | – |
トランスミッション | 7AT | 8AT | 1速 |
使用燃料 | ハイオク | 軽油 | – |
燃料タンク容量 | 44L | 44L | – |
最高出力 | 192ps | 170ps | 184ps |
最大トルク | 280Nm | 360Nm | 270Nm |
燃費(JC08モード走行) | 16.4km/L | 21.2km/L | 走行可能距離は最大234km |
タイヤサイズ | 205/45R17 | 205/45R17 | 205/45R17 |
気になる価格ですが、アメリカではクーパーSの約305万円に対して、クーパーSEは約340万円となっています。日本国内ではクーパーSが401万円ですから、日本導入時は450万円ほどになるのでしょうか? それとも普及のため価格を抑えてガソリンエンジンモデルに近い価格で販売されるのでしょうか?
クーパーSEの気になるエンジン出力、トルクについてですが、ガソリンエンジンのクーパーSに近い数値となっています。パワフルなクーパーSが好みのミニオーナーにとっては安心できるスペックでしょう。ただ、ガソリンエンジンモデルより重量が170kg重くなっているのがやや気になるところです。クーパーSEが重いのは床下にT字型にレイアウトされた高電圧リチウムイオンバッテリーが原因でしょう。最大で234kmの航続距離を実現するには蓄電容量32.6kWhのバッテリー搭載が必要だったため、この重量増は200kmを超える航続のために必要だったのでしょう。
また、クーパーSEにはスポーツモードやグリーン+モードなど4種類のドライブモードが設定されており、道路状況に応じていろいろな走行性能を楽しむことができます。
参考:BMWブランドの最新EV、BMW iXの性能
MINIには兄弟ブランドのBMWで先行して採用された技術が取り入れられることが多いです。そこで、BMWブランドですでに国内販売がスタートしているSUVタイプのEV、BMW iX M60の価格、航続距離、性能などを紹介しましょう。
BMW iX M60は特別なモデルのため、販売価格は1740万円と非常に高額です。BMW iX M60には前輪と後輪に2つのモーターが取り付けられており、最高出力258PS(190kW)を発揮する1つの電気モーターが前輪に、最高出力489PS(360kW)を発揮する1つの電気モーターが後輪に備わっている4輪駆動モデルです。システム・トータルでの最高出力は619PS(455kW)、最大トルクは1.015Nm(スポーツ・モードでは1,100Nm)で、0-100km/hを僅か3.8秒で駆けぬけることができます。ボディ床下に収納されているリチウムイオン電池の総エネルギー量は111.5kWhで、一充電での走行可能距離は615kmとなっています。
ミニ3ドアクーパーSEの航続可能距離の234kmと比べるとBMW iX M60の航続距離は非常に長いですが、ボディサイズの違いからBMW iX M60はリチウムイオン電池を設置できるスペースが十分に取れているということなのでしょう。
ミニ3ドアクーパーSEの充電にかかる時間はどのくらい?
ミニ3ドアクーパーSEの充電はAC 11KWの充電器で約2時間半で80%、約3時間半で100%充電となっています。DC 50KWの急速充電であれば35分で80%充電となりますが、急速充電システムの家庭への設置は難しく、全国に約7600ヶ所ある急速充電スポットでの利用になるでしょう。
ミニ3ドアクーパーSEの家庭用充電設備設置にいくらかかる?
ニ3ドアクーパーSEの充電設備はミニクロスオーバー クーパーSEと同じ設備が利用可能だと思われます。そこで、ミニクロスオーバー クーパーSE対応の充電設備の設置を行っている株式会社JMのWebサイトで調査したところ約12~30万円の価格で記載されていました。
ミニクロスオーバー クーパーSEの充電設備設置はディーラーでも申し込み可能です。ディーラー申し込みの場合、約12万円~14.5万円で設置が依頼できます(選択する出力やオプションによって価格が変動します)。ディーラー申し込みの場合でも設置を行うのは株式会社JMとなるので、株式会社JMで紹介されている家庭用コンセントの設置になるのでしょう。
出先での充電スポットは充分な数はあるの?
ミニ3ドアクーパーSEの走行可能距離は最大で234kmのため、遠くまでのドライブや泊りがけの旅行の場合、出先での充電が必須になります。出先で充電スポットがなかったらどうしよう…と思うからもしれませんが、電気自動車の充電は統一規格のため全国各地の公共充電ネットワークが利用できます。
公共充電ネットワークを地図で確認する
高速道路のSAエリアだけではなく、車の販売店やショッピングモール、スーパー、有料駐車場などに充電スポットは広がっています。設置場所によっては急速充電も可能で、上で紹介した公共充電ネットワークの地図リンク先では充電出力から充電スポットの検索も可能です。出かける先にどんな充電スポットがあるのか、あらかじめチェックしてからお出かけください。
ミニ初のピュアEV ミニ3ドアクーパーSEの日本導入はいつ?
電気自動車と言えばテスラなどが有名ですが、今回紹介したPHEVのミニクロスオーバー クーパーSEとピュアEVのミニ3ドアクーパーSEの世界販売台数を合計すると、実は世界の電気自動車の販売台数の1/5を占めています。そんな中、日本国内へはミニ3ドアクーパーSEがいまだに導入されていません。導入時期は正式には未定ですが、国内自動車メーカーのEV化が急速に進む中、ミニのピュアEVのミニ3ドアクーパーSEも2022年中に導入という噂があります。いずれにせよ、2~3年のうちにはミニ3ドアクーパーSEの国内販売がスタートするでしょう。
BMWが実現したクラシックミニをEV化するプロジェクト
上で紹介したミニクーパーSEとは関係がありませんが、BMWはクラシックミニをEV化する「MINI Rechargedプロジェクト」を先日発表しています。ミニクーパーSEの現代風のデザインも面白いですが、クラシックミニのヴィンテージなデザインをそのままに内部は最新の技術でEV化するのも面白いと思いませんか? 下記記事に詳細をまとめているのでご覧ください。
第4世代の電気自動車(BEV)、ミニ3ドアクーパーE/SE(J01)が発表
2023年秋に第4世代の電気自動車(BEV)、ミニ3ドアクーパーE/SE(J01)が発表されました。こちらの記事で解説しているのは第3世代ミニまでの電気自動車ですので、最新のMINIのEVについては下記記事をご覧くだsだい。