MINIの基礎知識

第4世代の電気自動車(BEV)、ミニ3ドアクーパーE/SE(J01)を徹底解説

2024.06.30MINIの基礎知識

第4世代の電気自動車(BEV)、ミニ3ドアクーパーE/SE(J01)はどんなMINIなのか?


MINIは20230年までに新車販売モデルをすべて電気自動車(EV)にする、オール・エレクトリック・ブランドになると発表しています(最近のBMW
の発言を見ると、オール・エレクトリック・ブランドになる発言は撤回される可能性もあるかもしれませんが…)。オール・エレクトリック・ブランド化するMINIの未来を体現するニューモデルが、今回紹介する第4世代の電気自動車(BEV)、ミニ3ドアクーパーE/SE(J01)です。

フルモデルチェンジされた第4世代のミニ3ドアとして誕生するのは、現行の第3世代ミニ3ドア(F56)をベースに進化させたガソリンエンジン搭載の第4世代ミニ3ドア(F66)と、この記事で紹介するミニ3ドアクーパーE/SE(J01)の2種類があります。どちらも同じミニ3ドアというカテゴリに区分されるモデルですが、F66とJ01と開発コードが違うことからわかるように一部に違いが見られます。開発コードについてや、ガソリンエンジンモデルの新型ミニ3ドアについては下記記事をご覧ください。


ミニ3ドアクーパーE/SE(J01)の特徴

日本国内でも2024年夏頃に販売を予定しているミニ3ドアクーパーE/SE(J01)の特徴を解説していきましょう。ミニ3ドアクーパーE/SE(J01)はBEV(ビーイーブイ=battery electric vehicle)と説明されている通り、車体内部に格納されたバッテリーで駆動する完全な電気自動車です。従来のようなグレードも用意されるようで、ミニ3ドアクーパーE、クーパーSEの2種類がすでに発表されています。BEVモデルのJCW(ジョンクーパーワークス)も開発中との声も聞こえてきます。

ミニ3ドアクーパーE/SE(J01)のエクステリアの特徴


ミニ3ドアクーパーE/SE(J01)のデザインは現行の第3世代ミニ3ドア(F56)の2021年の2度目のマイナーチェンジ後のデザインを踏襲しているように見えます。ミニ3ドア伝統のショート・オーバーハング、ショート・ボンネット、ロング・ホイールベースの特徴はそのままに、電気自動車(BEV)化を成し遂げています。

細部に違いはありますが、ヘッドライトやフロントグリルのデザインは、第3世代ミニ3ドア(F56)の2021年以降の最終型のデザインと見比べてみても違和感がありません。必要以上に未来志向のデザインになることはなく、既存ユーザーが違和感を感じることはないでしょう。下記写真の右側がミニ3ドアクーパーE/SE(J01)で、左側が第3世代ミニ3ドア(F56)になります。


細部をじっくりと確認すると従来モデルではデザインアクセントとして人気だったサイドスカットルが廃止されており、ボンネットのエアインテークもありません。不要な要素をそぎ落としたシンプルなデザインとなっています。

第3世代との違いを感じさせるのはリア周りのデザインでしょう。従来のミニ3ドアではテールランプは縦型のモノが採用されてきました。それがミニ3ドアクーパーE/SE(J01)では現代的なデザインのモノとなっています。MINIにレトロさを求める層には賛否ありそうですが、未来的なデザインのアクセントをテールランプに採用したということでしょう。

ミニ3ドアクーパーE/SE(J01)のインテリアの特徴


続いてはミニ3ドアクーパーE/SE(J01)のインテリアの特徴についてです。前述した2021年の第3世代ミニのマイナーチェンジの時もそうでしたが、ダッシュボード周辺のデザインがシンプルに、スイッチ類を減らす方向性はミニ3ドアクーパーE/SEでさらに進みました。エクステリアでもインテリアでも「デザインはよりシンプルに」というコンセプトがあるのでしょう。ダッシュボード中央に搭載されている有機ELディスプレイはスピードメーターなどの計器類とナビなどの情報表示を兼ね備えるディスプレイとなっています。

有機ELディスプレイ下に配置された5つのトグル・スイッチは、パーキング・ブレーキ、ギア・セレクター、スタート/ストップ・キー、エクスペリエンス・モード・トグル、ボリューム・コントロールの機能を担っています。少し前までのミニでは、より多くのトグル・スイッチが配置されており「飛行機のコクピットみたいだ」と言われていましたが、この数年でMINIのダッシュボード周辺のデザインも大きく進化しましたね。

ミニ3ドアクーパーE/SE(J01)のパワーと航続距離はどのくらい?

標準グレードの「Cooper E(クーパーE)」とより高い性能と航続距離を備えた「Cooper SE(クーパーSE)」のそれぞれで解説します。135kW/184hpの電気モーターを搭載した「Cooper E」は最大トルク290Nmを発揮、停止状態から100km/hまでを7.3秒で加速します。160kW/218hpの「Cooper SE」は最大トルク330Nm、0-100 km/h加速は6.7秒となっています。

40.7kWhの高電圧バッテリーを搭載する「Cooper E」の航続可能距離は305km。「Cooper SE」は、54.2kWhの高電圧バッテリーを採用しており、航続可能距離は最大402kmまでとなっています。

第3世代ミニ3ドアのEVでは32.6kWhのバッテリーを搭載し航続可能距離は234kmだったため、第4世代ミニ3ドアクーパーE/SE(J01)は大幅に性能がアップしたことがわかります。

ミニ3ドアクーパーSE(J01)と第3世代ミニ3ドアのサイズ比較

新型ミニ3ドアクーパーSE(J01) 3代目ミニ3ドア(F56)
全長 3860 mm 3860 mm
全幅 1756 mm 1725 mm
全高 1435 mm 1430 mm

最後にミニ3ドアクーパーSE(J01)のボディサイズを第3世代ミニ3ドアと比較してみましょう。全長は第3世代ミニ3ドアと同じ、全高も言われなければわからないレベルでしょう。全幅が3cmほど広くなっていますが、こちらも気になるレベルではありません。
※ミニ3ドアクーパーSE(J01)のボディサイズ数値は公式発表のデータではありません。実際のサイズと違う可能性があります。

ミニ3ドアクーパーE、SE(J01)の販売価格について

販売価格(税込) 航続距離 バッテリー容量
ミニクーパーE 463万円 305km 40.7kWh
ミニクーパーSE 531万円 402km 54.2kWh

2024年3月に日本国内でのミニ3ドアクーパーE、SE(J01)の正式販売がスタートし、国内販売価格も発表されました。こちらの記事に追記しておきます。

※2024年6月に電気自動車(BEV)専用モデル、ミニエースマンが発表されました。ミニエースマンについては下記記事をご覧ください。