ミニのホイールについて勉強してみましょう
普段あまり意識されることのない部品ですが、ホイールの役割や第1、第2世代から最新モデルまでのホイール変遷について、わかりやすく説明させていただきます。
「ホイールはどんな役割を果たしているパーツなの?」、そう尋ねられると皆さんはどうお答えになりますか? 「タイヤを固定している部品」、「ブレーキを取り付ける部品」…どれも正解です。普段あまり意識されることがない部品ですが、できるだけ簡単にご説明させていただきますね。
ホイールを構成する3つの要素
ホイールを構成する要素には上記のように3つあります。
リム
タイヤと接触しているホイールの外径部分
ハブ
車軸と繋がり回転し、タイヤへエンジンで生まれた力を伝える部分
スポーク
車輪中心のハブと外周のリムを繋いで支える部分
車によって、採用されるホイールの直径(リム径)はさまざまな種類がありますが、ミニ3ドアを例にすると年式やグレードによって違いますが、15~17インチ(1インチ=2.54cm)のホイールが純正で採用されています(オプションでは18インチも選択可能)。カタログなどで表記されているホイールサイズは、15インチ(175/65 R15)、16インチ(195/55 R16)、17インチ(205/45 R17)、18インチ(205/40 R18)となります。
タイヤ・ホイールサイズの見方
・175はホイールの幅(リム幅)をmmで表したもの
・65は扁平率。タイヤの厚み(タイヤの半径からホイールの半径を引いた数字)÷リム幅×100で表した数字
・Rはラジアルタイヤを意味する記号。ミニに採用されるタイヤはほぼすべてラジアルタイヤなので気にする必要はありません
・最後の15はホイールの直径(リム径)を意味します。1インチ=2.54cmです
今、使っているタイヤを見れば上記のサイズ表記が確認できます。皆さんんのミニがどのサイズのホイール・タイヤを使っているのかはそこを見ていただいてもわかるでしょう。
ミニのグレードによってホイールサイズが違うのはなぜ?
さて、ミニ ONE、クーパー、クーパーSは各グレードでなぜホイールサイズやホイールの材質が違うのでしょう。少し難しい話になりますがお付き合いください。まず、ホイールが大きくなるメリット、デメリットについてご説明します。
ホイールが大きくなるメリット
- 高速での安定性が高まる
- タイヤの路面へのグリップが良くなる
- コーナリングが安定する
- ブレーキの利きが良くなる
ホイールが大きくなるデメリット
- 路面の凸凹が車体に伝わりやすくなり、乗り心地が少し悪化する
- 燃費が少し下がる
- 17インチ以上のホイールになるとタイヤの値段が上がる
ミニ(ハッチバックの場合)クーパーSが17インチホイール(初期年式は16インチ)を履いているのは、スポーツ走行寄りのモデルだからという理由があります。本格的にスポーツ走行をしたい方は18インチのさらに大きなホイールにする方もいますが、17インチ以上のホイール用のタイヤは非常に値段が高くなるので注意してください。街中から高速道路まで一般的な街中を走るのであれば15、16インチホイールで何の問題もありません。
純正ではスチール、アルミの重量差はあまりない
次にONEで採用されているスチール(鉄)製ホイールとクーパーで採用されているアロイ(アルミ)製ホイールの違いについてです。一般的にアルミホイールはスチールホイールより軽いとされています。しかし、アルミホイールの製造方法(鋳造、鍛造)の違いによって、アルミホイールですがそれほど軽くならないホイールもあります。
アルミに強い圧力をかけて成型する鍛造(たんぞう)ホイールだと軽量化に大きく貢献しますが、ミニの世界では軽量化を求める人はそれほどおらず、型に溶けたアルミを流し込んで成型する鋳造(ちゅうぞう)のアルミホイールが中心です。
ただ、ホイール交換を希望する人でもホイール重量を気にする人は今はあまりいません。お気に入りのデザインと色でホイールを選ぶのが一般的です。
ミニのホイールは全モデル、全世代で共通?
2002年から日本で販売が始まったミニは第1~第3世代までのモデルがあります。それぞれのホイールには互換性があるのでしょうか? 第1、第2世代は一部互換性がありますが、2014年から販売がスタートした第3世代からは新しいホイールになっており、旧世代のホイールを取り付けることはできません。
第1世代後期、第2世代は一部モデル(第2世代のミニクロスオーバー、ミニペースマン)を除いてホイール中心部の車体への取り付け部分は同じ構造になっています(ボルト4本で固定)。ですから、第2世代ミニ3ドアのホイールを第2世代のミニコンバーチブルやミニクラブマンに取り付けることは可能です。一方、第2世代のミニクロスオーバーやミニペースマンは取り付け部のボルト本数(5本)で他の第2世代モデルとの互換性はありません。
また、2014年以降に登場した第3世代ミニでは車体への取り付けボルト本数が従来の4本から5本へと変更されました。先ほど第2世代のミニクロスオーバーやミニペースマンの取り付けボルト本数は5本と紹介しましたが、第2世代ミニクロスオーバーやミニペースマンのホイールと第3世代ミニ用ホイールの互換性はありません。
まとめると…
・第1世代後期、第2世代のホイールはほぼ共通(クロスオーバー、ペースマンや一部モデルを除く)
・第3世代からホイールが新しくなった