MINIの基礎知識

ミニクーパーの前輪駆動(FF)って、他メーカーの車と比べてどう違う?何が特別?

2024.04.24MINIの基礎知識

伝統を受け継いでいるだけ?ミニクーパーが前輪駆動(FF)を採用しているワケ


ミニオーナーにはよく知られている基本構造が「FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式」と呼ばれる前輪駆動システムです。今でこそFF方式は現代のクルマには当たり前、スタンダードなものとなっていますが、この方式を世に広めたのは1959年に登場したクラシックミニです。現代のミニにFF方式が継続的に採用されているのは歴史から考えても当然のことなのですが、はたして理由はそれだけなのでしょうか? 他とは違うミニならではのFFの良さについてまとめました。

コンパクトなサイズと広い室内を確保するためのFF方式


ミニがFF方式を採用する最大のメリットは、クラシックミニにも見られる「コンパクトなボディサイズの実現」と「一定の室内空間の確保」です。あの小さなボディでどれだけ室内空間を保てるか、という点を突き詰めたからこそ、1959年に登場したクラシックミニにFF方式が採用されました。

今のミニについても同様のことが言えるのですが、他メーカーの同ボディサイズFRモデルと比べると、ミニの室内の方が明らかに広く感じられます。FF方式を採用しているメリットは居住性の良さからもわかります。

ミニクーパーのマルチリンク式サスペンションが、FF最高峰の走りを生み出すポイント


一方で、「FR(フロントエンジン・リアドライブ、後輪駆動)方式に比べてFF方式はドライビング性能が劣る」という声もあります。確かに、以前はFRモデルの車の運動性能の方が高かったのは事実です。また、運動性能だけではなく、パワーでも差が出ています。

というのも、車体構造やフレーム剛性との兼ね合いから、FRモデルほどの出力をFFモデルに投入しても、クルマのボディが耐えられないことが大きな理由なのです。そこもFFとFRの性能差となってしまうのですが、FF方式でもドライビングパフォーマンスを楽しんでもらえる最新技術がミニには投入されています。それが「マルチリンク式サスペンション」です。

独立した複数のアームから成るマルチリンク式サスペンションは、長年足回りにこだわってきたBMWが開発した技術です。実際に乗ってみると分かるのですが、他のFF車と比べてリアの踏ん張りがまるで違います。これはミニの構造そのものに由来するので、特にコーナーやカーブを曲がる際の安定感が非常によく感じられます。

現在のミニは第3世代になりますが、初代から比べてみても明らかに走りがグレードアップしています。マルチリンク式サスペンションのおかげでミニ独特のハンドリングが実現されているのです。試乗されたお客様の反応からもそれがわかります。数多くのクルマを乗り換えられてきた方でも「これがFF?」と一様に驚かれます。“BMWが手がけたマルチリンク式サスペンション”だからこそ、ゴーカートフィーリングと呼ばれるミニの走行性能の評価につながっているのです。

他メーカーの車はトーションビーム式サスペンションの採用が多い

リアサスペンションについては、マルチリンク式の他にトーションビーム式サスペンションと呼ばれるものがあります。トーションビーム式サスペンションのパフォーマンスは決して悪くなく、コストも抑えられることから、ミニとほぼ同サイズの国産車に多く採用されています。マルチリンク式サスペンションの性能はトーションビーム式より圧倒的に上ですが、製造コストの問題から他メーカーの同サイズのFF車には採用されていません。

ミニに搭載されているのがマルチリンク式と言うと、クルマを良く知る人からは「かなり贅沢な装備」、「オーバースペックなのでは?」とも言われるのですが、上質なドライビングを生み出すうえでマルチリンク式を採用するというのはBMWにとって当然のこと。「ミニの乗り心地は特別」と言われる大きなポイントなのです。

FF方式の採用はミニの伝統へのリスペクトだけではなかった


ミニは全長に対してホイールベースが長く、タイヤ幅も広く取られています。重心も低いので、安定したボディサイズとサスペンション性能などとの組み合わせがゴーカートフィーリングなる乗り心地を生み出しています。ボディのコンパクト化や居住性の確保がFF方式採用のメリットと紹介しましたが、実際に試乗すればその違いが体感できるでしょう。

ミニにとってFF方式は、もはやアイデンティティです。歴史を紡いできた自負があるからこそ、最高のFFモデルを今なお輩出していると言えます。そういうワケで、これからもミニはFFモデルを作り続けるでしょう。