MINI中古車購入ガイド

ミニクラブマン(R55)の中古車の選び方【ミニクーパー中古車購入ガイド】

2023.06.01MINI中古車購入ガイド

ミニクラブマン(R55)とは?そのルーツはクラシックミニ時代にある?


まずはミニクラブマン(R55)のルーツの話からご紹介しましょう。ミニクラブマン(R55)のルーツは1960年代のクラシックミニ、「クラブマン・エステート」や「カントリーマン」、「トラベラー」といったモデルに遡ることができます。

どのモデルも後部に広い積載スペースを設けたワゴン車として販売されていました。車体後部の室内空間が広い、このタイプの車はエステート・モデルとイギリスでは呼ばれており、そのためクラシックミニのクラブマンは「クラブマン・エステート」と名づけられました。クラシックミニ時代のクラブマンは車体後部がウッド・フレームで飾られているのが特徴で、日本国内でもイベントなどで稀に目にすることができます。

ミニクラブマン(R55)は上述したクラシックミニのクラブマンをルーツに持ち、後部の観音開きのドア(テールゲート)のデザインはルーツとなるモデルを彷彿とさせます。現行のミニクラブマン(F54)はクラシックミニ時代の特徴がやや薄まったモデルですが、ルーツとなったクラブマンのデザインが好みの人には一世代前のミニクラブマン(R55)がおすすめです。もちろん、クラシックミニ時代のクラブマンを知らない人からも、その個性的なデザインからミニクラブマン(R55)はいまだに愛されています。

ミニクラブマン(R55)とミニクラブマン(F54)の違いとは?


現行の第3世代ミニクラブマン(F54)と、こちらの記事で紹介する第2世代ミニクラブマン(R55)の違いについてお話しましょう。現行の第3世代ミニクラブマン(F54)は第2世代ミニクラブマン(R55)のデザインを受け継いでいますが、第2世代ミニクラブマンの強烈な個性的はやや抑えられ、インテリア・エクステリアともに上品なデザインに進化しました。

また、ファミリーでの使い勝手を向上させるため、第3世代ミニクラブマン(F54)はボディサイズが大型化、全長が約30cm、全幅が約12cm大きくなりました。乗車定員も4名から5名となっています。こう紹介すると第3世代ミニクラブマン(F54)の方が魅力的に感じられるかもしれません。一般的なワゴンモデルの使い勝手を求める人にはそうかもしれませんが、第2世代ミニクラブマン(R55)の4mを切る調度いい全長、Cピラーとルーフの特徴的なカラー、他の車で見ることのない後部座席右側のクラブドアの採用など、個性的なデザインやキャラクターから見れば、第2世代ミニクラブマン(R55)を選ぶ人がいるのも理解できます。

ミニクラブマン(R55)とミニクラブマン(F54)のスペック比較

ミニクラブマン(R55) ミニクラブマン(F54)
乗車定員 4名 5名
最高出力 184ps 192ps
最大トルク 240Nm 280Nm
全長 3980mm 4275mm
全幅 1685mm 1800mm
全高 1440mm 1470mm
ホイールベース 2545mm 2670mm
車両重量 1240kg 1470kg
最小回転半径 5.5m 5.5m
タイヤサイズ 175/65R15(195/55R16) 225/45R17

※スペックは両モデルのクーパーSグレードで比較

ミニクラブマン(R55)とミニ3ドア(R56)の違いとは?

次にクラブマンとベースとなった第2世代のミニ3ドア(R56)との違いについてお話しましょう。フロント側から見るとミニクラブマン(R55)とミニ3ドア(R56)は同じ顔をしており、実際に仕様は共通となっています。インテリアの仕様もミニ3ドア(R56)と同じです。ミニクラブマン(R55)とミニ3ドア(R56)と違うのは、後部の観音開きのドア(テールゲート)と後部座席の右側だけに装備された小振りのクラブドア、そして少し全長が長くなったボディです。

ミニクラブマン(R55)とミニ3ドア(R56)のスペック比較

ミニ3ドア(R56) ミニクラブマン(R55)
乗車定員 4 4
最高出力 122 ps(184ps) 122 ps(184ps)
最大トルク 160Nm(240Nm) 160Nm(240Nm)
燃費 15.4km/L(13.6km/L) 14.2km/L(13.2km/L)
全長 3740mm 3980mm
全幅 1685mm 1685mm
全高 1430mm 1440mm (1445)
ホイールベース 2465mm 2545mm
車両重量 1170kg(1240kg) 1240kg(1280kg)
最小回転半径 5.1m 5.5m
タイヤサイズ 175/65R15(195/55R16) 175/65R15(195/55R16)

※スペック数値はクーパーで表記。()内はクーパーSの数値


ミニクラブマン(R55)のエクステリア、インテリアの特徴


ミニクラブマン(R55)は後ろから見たデザインがもっとも特徴的です。リアの観音開きの後部ドア(テールゲート)がクラブマンを象徴するデザインでしょう。ただ、テールゲートの好き嫌いはハッキリとわかれるようで、「このデザインが好きでクラブマンが欲しい」という方もいれば、逆に「あのデザインがダメ」という人もいます。それだけ好き嫌いがハッキリ分かれるモデルのため、フロントマスクは同じデザインのミニ3ドアとミニクラブマンで悩む人はほとんどいないようです。

ミニクラブマン(R55)のクラブドアはかなり便利


次にミニクラブマン(R55)の後部座席右側に装備されているクラブドアについてご紹介しましょう。面白いことにクラブドアは外側にドアハンドルが無く、クラブドアの内側からのみドアが開けられる変わった仕組みになっています。クラブドアはデザイン上の個性として注目が集まりがちですが、意外なことにかなり便利な装備です。。ドライバーが後部座席にちょっとした荷物を置くのに非常に便利ですし、チャイルドシートの脱着や後部への人の出入りもミニ3ドア(R56)に比べるとクラブドアがあるおかげで非常に楽です。ただし、クラブドアは車体右側にしかないため、路肩での人の出入りの際は充分に気をつけてください。

ミニクラブマン(R55)はファミリー層に充分オススメできるモデル


ミニクラブマン(R55)は現行のミニクラブマン(F54)に比べればコンパクトな車に思えますが、ミニ3ドア(R56)と比べると全長24㎝、ホイールベースが8㎝、天井は1㎝高くなっています。全長が長くなった結果、ミニ3ドア(R56)に比べると重量がやや重くなっていますが、気になるほどではありません。むしろ、全長が長くなったおかげでミニ3ドア(R56)と比べると後部座席の足元に8㎝も余裕ができています。クラブドアの利便性と後部座席の広さからミニクラブマン(R55)はファミリー層にもおすすめできるモデルです。

ミニクラブマン(R55)なら2人分のゴルフバッグは余裕を持って収納可能


ミニクラブマン(R55)のトランクルーム容量は260L(ミニ3ドア(R56)は160L、現行のミニ3ドア(F56)は211L)もあり、後部座席を倒せば930Lもの容量が確保できます。スポーツやアウトドアを楽しむ人からクラブマンの支持が高いのは積載性の良さも理由です。ちなみに、クラブマンでゴルフに行く際には、後部座席を倒せば2人分のゴルフバッグなら余裕を持って収納が可能です。自転車はホイールを外して横倒しで収納すれば2人分は載せることができます。サーフボードはショートボードならなんとか積載できます。

ミニクラブマン(R55)の走行性能


ミニクラブマン(R55)の走りをミニ3ドア(R56)と比較した印象ですが、全長が長くなった分、少し小回りがきかなくなります。ただ、あくまでミニ3ドアと比較しての話です。一般の車と比べるとミニクラブマン(R55)はまだまだ小回りがきく車だと言えるでしょう。

ミニクラブマン(R55)走りに関してです。エンジン性能は第2世代ミニ3ドア(R56)と同じですが、ホイールベースが長くなったので、ミニ3ドアよりはキビキビと走る感覚は少し落ちます。しかし、その分、安定した走りができるようになり、助手席や後部座席に乗る人からの評判はミニ3ドアより上々で、家族で出かけるのに充分な快適性も確保されています。

ミニクラブマン(R55)のグレード選び


国内販売モデルのミニクラブマン(R55)にはONEが設定されていません。中古車の多くはクーパーとクーパーSからの選択になります。また、ミニクラブマン(R55)ではMT車は販売されていましたが、新車を購入するオーナーのほとんどはAT車を選んでいたので、中古車でMT車を探すのは難しいかもしれません。

ミニクラブマン(R55)で人気のボディーカラー


ミニクラブマン(R55)はルーフカラーとCピラー(観音開きのドアの左右の枠)が同色となっており、ルーフカラーの色によって後部から見た印象が違うのが特徴です。ボディカラーについてはペッパーホワイトのボディにブラックルーフ&Cピラーの組み合わせが人気で、アイスド・チョコレートのボディカラーにブラックのルーフ&Cピラーも非常に似合っていました。女性からはアイス・ブルーのボディにシルバーのルーフとCピラーの組み合わせが特に人気が高かったようです。

ミニクラブマン(R55)のマイナーチェンジ年表

年月 マイナーチェンジ内容
2007年10月 ミニクラブマン(R55)登場
2010年5月 マイナーチェンジ実施。後期型エンジンの採用やブレーキエネルギー回生システムを搭載。
2010年10月 エクステリア、インテリアのデザイン変更。フロントバンパー、サイドのスカットルデザイン、リアコンビランプ内のLEDライト、内装ではスイッチ、ラゲージのローラー・ブラインド式のラゲージ・ルーム・トリムが採用され質感がさらに向上しました。
2011年4月 従来はオプション設定だったサンルーフが標準装備になりました。

最後にミニクラブマン(R55)の仕様の変遷についてです。2007年~2014年にかけてのクラブマンは前期と後期に分けることができます。2007年10月~2010年2月までが前期、2010年3月~2014年までが後期です。前期、後期の一番大きな違いはエンジンの仕様変更ですが、後期モデルではそれ以外にもいくつかのマイナーアップデートが行われています。詳しくは上記表でご覧ください。

ミニクラブマン(R55)の中古車相場は?いくらくらいするの?

2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
420万円以上 1
220万円~ 1 1
200万円~ 1 1
180万円~ 1 2 2 2 3
160万円~ 1 1 3 1 3 2 4
140万円~ 1 5 4 10 8 14
120万円~ 3 2 9 6 12 11 5
100万円~ 4 2 5 8 10 8 3
80万円~ 9 14 13 9 11 4 4
60万円~ 50 28 16 7 9 1
40万円~ 37 28 11 4 1
20万円~ 20 13 4
20万円未満 1

※2014年モデルの中古車には第3世代ミニクラブマン(F54)の中古車も含まれています
ミニクラブマン(R55)の中古車の中心価格帯は50~150万円で、手頃な価格で購入できるのが魅力です。ただ、100万円を切るモデルの多くはマイナーチェンジ前の前期モデルが中心で、走行距離もそれなりに走ったものが多いでしょう。購入後のトラブルを考えると100万円を超える価格の走行距離の少ない車両を選んだ方が安心かもしれません。

ミニクラブマン(R55)の中古車でオススメなのは2010年3月以降の後期エンジンモデル

ミニクラブマン(R55)は前章で紹介したように2010年~2011年にかけて、いくつかの仕様変更が行われています。オススメなのは2010年3月以降のバルブトロニック搭載エンジンです。前期の車両には手頃な値段のモノもありますが、余裕があれば後期車両の購入をオススメします。ミニクラブマンのオーナーは購入後も長くクラブマンを気に入っていただける方が多く、同世代のミニ3ドアに比べるとなかなか車両を乗り換えない傾向があるので、新車時の販売台数から考えると中古車の流通台数が少なく感じるかもしれません。お気に入りの車両が見つかったら迷わず購入するようにしてください。