ミニクーパーのボディカラーの豊富さと特徴
ミニはカラーパターンが豊富
一般的な車に比べるとミニで選ぶことができるカラーが非常に豊富です。ボディカラーで10種類以上、ルーフカラーは3種類(白、黒、ボディと同色)+オプションのルーフステッカーが数種類、ボンネットストライプはメーカー純正だけで2種類用意されています。他メーカーの車でも7、8種類のボディカラーが選べますが、濃淡が違う似た色でのカラーパターンになっていることが多く、色の種類で言えばミニほどのバリエーションはありません。
国産車だと白、シルバー、黒を選ぶ人が多いのでそうなってしまうのでしょう。国産車でも高級モデルでは明るいカラーが用意されていることもありますが、無難なカラーバリエーションを中心に展開されていることが多いですね。ミニにこれだけいろいろな種類の色が採用されているのは、ミニオーナーは個性的なカラーを好む人が多いからです。
ミニオーナーはファッションやインテリアに詳しい人が多く、ミニを購入する際にも好みのカラーがハッキリしている方が多い印象です。ただ、ソリッド(単色)カラーの車に長年乗ってきた方はミニのボディカラーと組み合わせるルーフの色はどうするのか、ボンネットストライプをつけるかどうか、になると悩む方も多いでしょう。そこでカラーコーディネートの知識から考える、ミニのボディカラー選びをご紹介します。
ミニで伝統的に人気なカラーと色の組み合わせ
ミニではホワイトやグレーのような落ち着いた色も人気がありますが、レッドやブルー、オレンジのような鮮やかな色も非常に人気があります。白や黒、シルバーでないと中古車の下取りが悪くなるのが中古車の世界では一般的ですが、ミニの場合はそれが当てはまらないのも面白いですね。他にもクラシックミニの時代から人気があったブリティッシュレーシンググリーンなども古くからのミニファンから人気があります。
同じボディカラーでもルーフやホイール色で印象が違う
また、国産車の世界では赤いボディカラーはあまり人気がありませんが、ミニの場合は常に人気上位に上がってきます。ブレイジングレッドのミニは可愛らしいですし、ルーフやボンネットストライプ、ホイールカラーを黒にするだけでスポーティなイメージに変えることもできます。また、JCWのみで選択できるチリレッドのような特別なカラーも昔から人気がありました。
可愛らしく見せたい、ミニのPOPなデザインが好きという方はホワイトルーフとシルバーのホイール。スポーティに見せたいという方はルーフやホイールにブラックを選ぶと印象がガラリと変わります。白は膨張色で、黒は車体が締まって見える収縮色というのも、この印象の違いに影響しているのでしょう。一般的に明るい暖色系の色は膨張色、暗い色や濃い色は収縮色とされています。ボディやストライプのカラー選びの際には膨張色、収縮色についても考えてみてください。
カラーコーディネートから考えるミニの色選び
カラーコーディネートの基礎知識
さて、カラーコーディネートの話に入りましょう。細かく説明すると難しくて長い話になるのでファッションのカラーコーディネートの話をベースに簡潔に説明させてください。ファッションコーディネートの色選びの際にはベースカラー、アソートカラー、アクセントカラーの3種類があります。ベースカラーとはジャケットやコートなど、全体に占める割合が高い色、ミニの場合はボディカラーを指すと考えてください。
アソートカラーはその次に割合が高いカラーです。ルーフやボンネットストライプなどの色になるでしょう。最後のアクセントカラーはホイールやサイドミラーキャップ、サイドスカットルなど、全体の色を引き締めるための色で、主張が強い色(カラフルなサイドミラーキャップなど)が配色されることが多いですね。
3色以内の色でミニをデザインするのがオススメ
色の組み合わせを考える際に知っておきたいのは、一般的には3種類以内の色の組み合わせに抑えた方がいいということです。ファッションの世界ではクレイジーパターンと呼ばれる4種類以上の色を使う配色もあります。プロのデザイナーが組み合わせた配色なのでバランスが取れていますが、4色以上の配色の組み合わせは非常に難しいと思ってください。
クラシックミニ時代のマルチストライプのポール・スミスなど、評価の高いデザインパターンもありますのでチャレンジしてみるのも面白いでしょう。しかし、その際はファッション誌などで配色の参考にするアイテムを見つけておいた方がいいかもしれません。ちなみにカラーコーディネートの世界では3色での配色をトリコロール配色、2色をビコロール、単色はモノトーンと呼ばれます。
少ない色で上品なミニをデザインする
ミニに採用する色が増えるほど、見た目が賑やかでポップなデザインのミニができ上がります。ただし、そういうカラーパターンは飽きるのが早いかもしれません。落ち着いた、上品なミニをデザインしたいという場合はシックな色を選んだり、色の数を抑えたりするのがオススメです。クーパーやクーパーSはボディカラーとルーフカラーを分けることができますが、そこをあえて同色にする手法はミニの特別仕様車でも採用されています。少し前のモデルですが、ミニ3ドアや5ドアに登場したMINI JERMYNがその方法で上品さを演出しました。同色ではなくてもルーフカラーをボディカラーに近い色でまとめても同じような効果があるでしょう。ルーフだけをラッピング(ビニールフィルムを張り付けて自由に色を変えるカスタマイズ)すれば、もっと自由に色を組み合わせることも可能ですね。
カラー選びの参考にしたい12色相環図とトーンチャート
次に色選びの役に立つカラーパターンについて、カラーコーディネートの考え方から説明させてください。上の図は12色相環図とトーンチャートになります。12色相環図は色の種類を似た色の順に円形に並べて分類したモノで、さらに細かく24色で分類した相環図もあります。今回はわかりやすく12色に限定しました。12色相環図で隣り合っていたり、近くに配置されていたりする色は類似色、対角線上にあるのは対照色と呼ばれています。トーンチャートは同系統の色を明るさ(濃淡)や彩度(色の強さ)で分類した図になります。カラーコーディネートの世界で色の組み合わせを決める際にはカラー(色)や濃淡など(トーン)の2つの観点から組み合わせていきます(厳密にはそれだけではありませんが)。
カラーとトーンから探す相性のいい色の組み合わせ
カラーとトーンからの色の組み合わせにはさまざまなパターンがあります。ファッションの世界では色の組み合せが自由なので、数多くのカラーコーディネートのパターンを理解する必要があります。しかし、車のカラーコーディネートではメーカーが提供しているボディカラーは限定されているので、カラーコーディネートの複雑な知識はほとんどの人には必要ないでしょう。色の組み合わせについて簡単に説明するとカラーの「類似色と対照色の組み合わせ」、トーンの「明るさや彩度の組み合わせ」で相性のいい色を探すことができます。
似たカラーやトーンの色は相性がいい
似た色は非常に調和しやすく、バランスよく感じられます。そのため、同系統のカラーやトーンを組み合わせると相性が良い色の組み合わせができます。専門用語でドミナントカラー配色やドミナントトーン配色と呼ばれる色の組み合わせですね。家具などのインテリアの色の組み合わせはこのパターンで決めている人が多いのではないでしょうか。
対照的なカラーやトーンの組み合わせも調和する
似た色の組み合わせの相性もいいのですが、対象的な色や明るさの組み合わせも実は相性が良くなります。ただし、ミニの場合、ボディカラーは選択肢が豊富ですが、ルーフカラーはホワイト、ブラック、ボディ同色の3種類しかないため、ルーフとボディでの完全な対照色の組み合わせを選ぶのは難しいでしょう。そのため、ボディが明るい色の場合はブラックルーフ、ボディが暗い色の場合はホワイトルーフを選んで対照性を出してみてもいいでしょう。
ちなみに、ルーフステッカーやボンネットストライプはオリジナルでオーダーすることも可能です。ミニのエクステリアの全面をオリジナルカラーにするのはかなりの予算が必要ですが、ボディカラーだけ純正色を選び、ルーフやストライプはオリジナルのラッピングでオーダーすれば対照色を上手く組み合わせたカラーコーディネートができますよ。
アクセントカラーにはサイドミラーキャップがオススメ
最後にアクセントカラーについてです。メーカー純正ホイールはブラックとシルバーの2種類ですが、アフターパーツメーカーのホイールではゴールドがあったり、純正ホイールを塗装して色を変えたりすることもできます。また、JCWに採用されている真っ赤なブレーキキャリパーは充分なアクセントカラーにもなります。
ホイールやブレーキとなると交換したり塗装したりするにはかなりの予算が必要ですが、もっとも手軽にアクセントカラーをつけるには、カラーパターンが豊富なサイドミラーキャップがお手軽でしょう。アクセントカラーは全体に占める割合が小さいので、思い切った色を選んでも問題ありません。こういった部分の配色にも注意しながら、色の組み合わせを考えてみてはいかがでしょうか?
最後に
今回はエクステリアのカラーコーディネートの話が中心になりましたが、インテリアカラーにも同じ知識が役に立ちます。類似色と対照色、色の明るさ、色の数…これらを上手く組み合わせてイメージ通りのミニをデザインしてましょう。