MINIの基礎知識

尿素水(アドブルー)不足はミニクーパーにも影響はある?

2021.12.27MINIの基礎知識

尿素水(アドブルー)不足はミニオーナーに影響はある?

2021年10月に海外で尿素水(アドブルー)不足が話題になりはじめ、2021年12月には日本国内でも尿素水(アドブルー)不足が聞かれるようになりました。ディーゼルエンジン搭載モデルに必要な尿素水(アドブルー)、ミニオーナーにも影響がある問題なのでしょうか?

そもそも尿素水(アドブルー)って何?

まずは尿素水(アドブルー、AdBlue)は何で、何のために車で使用されているのかについて解説しましょう。簡単に言えば、尿素水(アドブルー)はディーゼルエンジンを搭載した一部の車やトラックの排気ガスに含まれる有害物質の無害化に使われています。尿素水を利用した排気ガスの浄化システムは尿素SCRシステムと呼ばれており、排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)をアンモニア(NH3)と化学反応させ、窒素と水に分解して無害化する仕組みです。

アンモニア(NH3)が必要なのに、なぜ尿素水(アドブルー)が必要?と思うかもしれませんが、アンモニアは気化すると可燃性があり危険なため、安全な尿素水(アドブルー)の形で車に補充し、排気ガスを浄化する際には尿素水(アドブルー)を加水分解してアンモニアを発生させ、窒素酸化物(NOx)を無害化するやり方を取っています。

ここで注意したいのは尿素水(アドブルー)を使用した排気ガス浄化システム(尿素SCRシステム)はディーゼルエンジンを搭載したすべての車で使われているわけではない、ということです。ディーゼルエンジン搭載のミニオーナーの方でも、尿素水(アドブルー)不足問題の当事者とそうでない方がいます。それについて次の章でご紹介します。

ディーゼルエンジン搭載グレードがあるミニのモデル一覧

ミニ3ドア ミニ5ドア ミニコンバーチブル ミニクロスオーバー ミニクラブマン
ディーゼルエンジン搭載グレード クーパーD(かつてはクーパーSDの設定あり) クーパーD、クーパーSD 無し クーパーD、クーパーSD クーパーD、クーパーSD

現在のミニのラインナップではミニコンバーチブルを除く、全モデルにディーゼルエンジン搭載モデルが設定されています。どのモデルでも、ディーゼルエンジンが搭載されているのはクーパーD、クーパーSDになります。

また、ミニクロスオーバーについては現在新車で販売されているモデルはディーゼルエンジンモデルが中心で、ガソリンエンジンモデルは中古車市場にしかありません。

ミニのディーゼルエンジンモデルで尿素水(アドブルー)を使用するのはどれ?


次に現行のミニのディーゼルエンジンモデルの中で、尿素水(アドブルー)を使用しているエンジンの見分け方についてお話します。もっともわかりやすいのは給油口を開けたときに上記写真のような青いキャップがある車両は尿素水(アドブルー)を使用している車両です。

ミニの年式によっても尿素水(アドブルー)が必要なモデルかがある程度わかります。2019年以前のミニのディーゼルエンジンには尿素SCRシステムが使われておらず、尿素水(アドブルー)の補給の必要はありません。2020年春頃にミニクラブマンのディーゼルエンジンに尿素SCRシステムが採用され、その後、ミニクロスオーバー、ミニ3ドア・5ドアのディーゼルエンジンモデルにも尿素SCRシステムが採用されはじめました。

皆さんのミニが尿素水(アドブルー)が必要なモデルかの確認は給油口を確認するようにしてください。

ミニのディーゼルエンジンモデルでの尿素水(アドブルー)の補充サイクルは?

皆さんのミニが尿素水(アドブルー)が必要なモデルだったとしても、過度に心配する必要はありません。2021年12月からの尿素水(アドブルー)不足問題は年明けの2022年2月までには解決する見込みと言われていますし、そもそもミニのディーゼルエンジンモデルでの尿素水(アドブルー)の補充サイクルは2万kmごととされています。

尿素水(アドブルー)の補充については警告灯が表示されるので、表示が出てからディーラーや販売店に補充を依頼しましょう。警告灯が表示されたからと言って、すぐに補充しないとエンジンが始動できなくなるわけではありませんのでご安心ください。