1年点検(12ヶ月点検)って何?
車は2年(新車購入時は3年)ごとに車検を受ける必要があります。車検時に車両の各部の点検整備を行うのですが、これとは別に車の販売店から1年点検(12ヶ月点検)の案内を皆さん受けていると思います。2年ごとに車検を受けるのに、1年点検があるのはなぜでしょうか?
1年点検(12ヶ月点検)の目的は車検と同様で、定期的に車両の各部をチェックすることでブレーキやタイヤなどの消耗品の摩耗度をチェックしたり、オイル漏れなどのトラブルの種を発見したりすることで、大きなトラブルや事故の可能性を未然に防ぐことを目的としています。
車検では約80ヶ所の点検項目がありますが、1年点検(12ヶ月点検)の点検項目やや少なく、検査は数時間で完了します。詳細な点検項目は後ほどご紹介しますね。
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取材協力:MINI西東京 サービス・ス-パーバイザー 照井博文(てるい ひろふみ)
岩手県出身。中学生の頃にスポーツカーに夢中になり、整備士に興味を持ち始める。2008年にMINI西東京を運営するモトーレン東都に入社し整備士になる夢を叶え、現在はMINI西東京の副工場長を務めている。趣味はキャンプ。
MINI西東京
住所:東京都東久留米市弥生1-1-36(地図)
電話:042-462-3298
営業:10:00~18:30(土日は9:30オープン)
定休:火曜
Webサイト:MINI西東京
1年点検(12ヶ月点検)は法律で決まっている義務?
1年点検は道路運送車両法で車の使用者の義務として定められていますが、従わなかったとしても罰則はありません。ただ、新車や中古車の保証期間内の車は購入店で1年点検や車検を受け、整備を受けた記録を残していれば何かトラブルが発生したときの対応がスムーズになるかもしれません。
1年点検(12ヶ月点検)での点検、整備項目は?
下記の内容はMINIディーラー独自で定めている1年点検(12ヶ月点検)1年点検(12ヶ月点検)でのチェック項目です。一般の車の販売店ではもう少しチェック項目が少なくなるでしょう。
| 点検箇所 | 点検・整備項目 | |
|---|---|---|
| かじ取り装置 | パワーステアリング | ベルトの緩み、損傷 |
| 走行安全性の確認、テスト走行 | ||
| ステアリング ギア ボックス | 損傷 | |
| ステアリング(ハンドル) | 操作具合、遊び、がた | |
| ステアリング ロッド、アーム類 | 緩み、がた、損傷 | |
| ボール ジョイント ダストブーツの亀裂、損傷 | ||
| 制動装置 | ブレーキホース、パイプ | 液漏れ、損傷、取付状態 |
| ブレーキ マスター シリンダー、 ホイールシリンダー、ディスクキャリパー | 液漏れ | |
| パーキング ブレーキ | レバーの引きしろ(ペダルの踏みしろ) | |
| パーキング ブレーキの効き具合 | ||
| パーキング ブレーキの機能点検 | ||
| ブレーキディスク、ドラム | ディスクとパッドとのすき間 | |
| パッドの摩耗 | ||
| ブレーキ ドラムとライニングとのすき間 | ||
| ブレーキ シューの摺動部分、ライニングの摩耗 | ||
| ブレーキ ペダル | 遊び、踏込んだ時の床板とのすき間 | |
| ブレーキの効き具合 | ||
| ブレーキの機能、パーキング ブレーキ | 走行安全性の確認、テスト走行 | |
| 走行装置 | タイヤ、ホイール | タイヤの空気圧(スペアタイヤ含む) |
| タイヤ空気圧警告システム(タイヤパンク表示)、必要時初期化 | ||
| タイヤの亀裂、損傷 | ||
| タイヤの溝の深さ、異常な摩耗 | ||
| ホイールボルトの緩み | ||
| MINI モビリティ システム | シール剤 ボトル交換 | |
| 緩衝装置 | ショック アブソーバー | 走行安全性の確認、テスト走行 |
| 動力伝達装置 | トランスミッション、トランスファー、ギアボックス | オイル漏れ、量 |
| プロペラ シャフト、アウトプット シャフト | 連結部の緩み | |
| クラッチペダル | 遊び、切れた時の床板とのすき間 | |
| トランスミッションの機能 | 走行安全性の確認、テスト走行 | |
| 電気装置 | バッテリー | ターミナル部の緩み、腐食による接続不良 |
| 点火装置 | ディストリビューター キャップの状態 | |
| スパーク プラグの状態 | ||
| 点火時期 | ||
| 原動機 | 本体 | 排気ガスの状態 |
| CO、HCの濃度 | ||
| エア クリーナー エレメントの汚れ、詰まり、損傷 | ||
| 潤滑装置 | オイル漏れ | |
| 冷却装置 | オルタネーター ベルトの緩み、損傷 | |
| クーラント(冷却水)の量 | ||
| クーラント(冷却水)の漏れ | ||
| クーラント(冷却水)の濃度 | ||
| 排気装置 | エキゾースト パイプ、マフラー | 取付けの緩み、損傷、腐食 |
| 遮熱板の取付けの緩み、損傷、腐食 | ||
| ボディ・ボディ電気装置 | ライト類 | 点灯/点滅具合、汚れ、損傷 |
| ホーン / パッシング ライト / ハザードライト | 機能 | |
| ワイパー / ウォッシャー システム | ワイパーの払拭状態、ウォッシャーの噴射状態 | |
| ウォッシャー液の量 | ||
| メーター パネル / インジケーターの照明 | 機能 | |
| メーターパネル表示灯/警告灯 | 機能点検 | |
| シートベルト | 状態 / 巻取装置 / ベルトロック / キャッチの機能点検 | |
| 空調装置 | ヒーター ブロアーの機能 | |
| ボディ下廻り | 損傷、漏れ、腐食 | |
| ロールオーバー プロテクション(セーフティ) システム機能/作動点検 | ロールオーバー プロテクション(セーフティ) システム機能/作動点検 | |
| その他 | チェック コントロール メッセージ / 警告 | 内容確認 |
| コンディション ベースド サービス (CBS) | 設定内容確認、リセット | |
ミニクーパーの1年点検(12ヶ月点検)はディーラーで受けた方がいい?
最近の車は走行記録をコンピューターで記録しており、エンジンの異常発熱などがあればログに残っています。1年点検時にはこの走行ログをディーラーに用意されている専用コンピューターで読み取り、小さな異常だったとしても発見することができます。まだ、大きなトラブルに結びついていないトラブルの種も専用コンピューターで見つけることができるので、1年点検はディーラーで受けることをおすすめします。
また、日々ミニだけを専門に整備しているメカニックが車をチェックする場合、消耗しがちな箇所、トラブル予防のために定期的な消耗品交換が必要な箇所も熟知しています。ミニに詳しくないメカニックが点検整備を行うより、安心してミニを任せることができるのは間違いありません。