MINI新車購入ガイド

ミニ3ドア(F56)の新車選び、ライバル比較【ミニクーパー新車購入ガイド】

2023.12.28MINI新車購入ガイド

ミニ3ドア(F56)とは?


ミニ好きがミニと聞いて最初にイメージするのがミニ3ドアです。ミニのデザインアイコンになっている可愛らしいフロントマスクのルーツはミニ3ドアにあります。

丸いヘッドライトが可愛らしいミニ3ドアのデザインをベースにミニ5ドア(F55)やミニコンバーチブル(F57)、ミニクラブマン(F54)が誕生。ヘッドライト形状こそ違いますが、ミニクロスオーバー(F60)にもミニ3ドアのデザインコンセプトがしっかり受け継がれているのがわかります。

フルモデルチェンジしても変わらないミニ3ドアの特徴的なデザイン


車のデザインには流行があり、日本車も輸入車もその時々のデザイントレンドに沿ったフルモデルチェンジ、マイナーチェンジが行われます。

ミニがデザイントレンドを追わないわけではありませんが、インテリアやエンジン、先進気候などの中身はアップデートしつつ、どの世代でも丸いヘッドライトをかたくなに採用し、見た目は大きく変えていません。

2002年に初代のミニ3ドア(R50、R53)が誕生し、2007年に2代目ミニ3ドア(R56)が登場。2014年に現行モデルの3代目ミニ3ドア(F56)へと至りますが、初代~現行のミニ3ドア(F56)までデザインの変化はあるものの、ひと目でミニだとわかる一貫したデザインコンセプトが貫かれています。

そんなミニのデザインコンセプトが多くのユーザーに支持され、数多く輸入車がある中で年間2万台以上のMINIの新車が売れています。ミニ3ドアはそんな快進撃を続けるMINIのコアモデルと言えるでしょう。

ミニ3ドア購入者の40%弱が女性


他の輸入車メーカーに比べて、MINIは女性ユーザー比率が高いのですが、ミニ3ドア購入者の40%弱が女性です。同じフロントマスクを持つミニ5ドアやミニコンバーチブルでも購入者の30~40%は女性ユーザーとなっています。

他にないオシャレで可愛らしいデザインが人気なのはもちろんですが、全長も車幅もコンパクトで車に慣れていない人でも運転しやすいのもミニ3ドアが人気な理由でしょう。

ミニ3ドア ONE、クーパー(D)、クーパーS(D)のグレードの違いは?

ONE クーパー クーパーD クーパーS クーパーSD
標準車両本体価格 267万円 323万円 336万円 390万円 403万円

ミニ3ドアには大きくわけてONE、クーパー、クーパーSの3つのグレードに分けられます。正確にはクーパーにディーゼルモデルのクーパーDが、クーパーSにもディーゼルのクーパーSDがあり、クーパーSの上に特別なスポーツモデルのジョンクーパーワークス(JCW)があります。しかし、グレード選びをわかりやすくするためにONE、クーパー、クーパーSの3グレードでまずは考えましょう。

MINIは基本的にグレードが上がるほど装備が充実する


ひとまずエンジン仕様については置いておきましょう。ミニONE、クーパー、クーパーSとグレードが変わるとエクステリア(外観)、インテリア(内観)に違いが出てきます。

わかりやすい点で言うとフロントマスクの違いでしょう。フロントグリルと呼ばれるフロントマスクの口の部分、このデザインがクーパー、クーパーSでは違います。クーパーはクロームが美しいメッキパーツがあしらわれたフロントグリルで、クーパーSはブラックメッシュのスポーティなグリルなのが特徴です。
※2021年3月のマイナーチェンジ後のONEはまだ発表されていません。フロントグリルはクーパーに近いデザインになると予想されます。

ONE クーパー クーパーD クーパーS クーパーSD
タイヤサイズ 175/65R15 175/65R15 175/65R15 205/45R17 205/45R17

また、ミニONE、クーパー、クーパーSではホイールサイズが違います。ミニONE、クーパーは15インチホイール、クーパーSは17インチホイールを採用しています。違いを簡単に説明すると、15インチホイールの方が乗り心地がよく、タイヤ価格も手頃、17インチホイールはスポーティな走りが楽しめるものの15インチに比べるとややタイヤ価格が高いと考えてください。
※クーパーSはスポーティな走りが楽しめるタイヤを採用し、エンジンパワーもあるため、ブレーキやサスペンション性能が高いものが採用されています。

続いてインテリアを見ていきましょう。まずはシートから。ONEはファブリックのシートしか選べませんが、クーパー、クーパーSはファブリックかレザーのシートをオプション選択可能です。

グレード ボディカラー
ミニONE
標準カラー
ペッパー・ホワイト、チリ・レッド
オプションカラー
ミッドナイト・ブラック、ブリティッシュ・レーシング・グリーン、ムーンウォーク・グレー、スターライト・ブルー、ソラリス・オレンジ
ミニクーパー・クーパーD
標準カラー
ペッパー・ホワイト、チリ・レッド
オプションカラー
ミッドナイト・ブラック、MINI Yoursエニグマティック・ブラック、ブリティッシュ・レーシング・グリーン、ムーンウォーク・グレー、ホワイト・シルバー、スターライト・ブルー、ソラリス・オレンジ
ミニクーパーS、クーパーSD
標準カラー
ペッパー・ホワイト、チリ・レッド
オプションカラー
ミッドナイト・ブラック、MINI Yoursエニグマティック・ブラック、ブリティッシュ・レーシング・グリーン、ムーンウォーク・グレー、サンダー・グレー、ホワイト・シルバー、スターライト・ブルー、ソラリス・オレンジ

ボディカラーの選択肢もONE、クーパー、クーパーSで違います。標準で選ぶことができるボディカラーはどのグレードもペッパー・ホワイト、チリ・レッドの2種類ですが、オプションで選べるカラーはONEは5種類、クーパーは7種類、クーパーSは8種類となっています。

他にもONEとクーパー・クーパーSでは選ぶことができるパッケージ(オプションがお得なセットになったもの)の種類が違います。自分好みのミニ3ドアをデザインしていく際にONEだと選択肢が少し限られると考えてください。

ONEはガソリンエンジンのみ、クーパー・クーパーSはディーゼルエンジンも選択可

ONE クーパー クーパーD クーパーS クーパーSD
標準車両本体価格 267万円 323万円 336万円 390万円 403万円
種類 直列3気筒DOHCターボ 直列3気筒DOHCターボ 直列3気筒DOHCターボ (ディーゼル) 直列4気筒DOHCターボ 直列4気筒DOHCターボ (ディーゼル)
排気量 1498cc 1498cc 1496cc 1998cc 1995cc
使用燃料 ハイオク ハイオク 軽油 ハイオク 軽油
最高出力 102ps 136ps 116ps 192ps 170ps
最大トルク 190Nm 220Nm 270Nm 280Nm 360Nm

グレードによってエンジンの選択肢が違います。ONEは1498ccのガソリン車のみ、クーパーは1498ccのガソリン車と1496ccのディーゼル車、クーパーSは1998ccのガソリン車と1995ccのディーゼル車を選ぶことができます。ONEのエンジンが非力なように思えるかもしれませんが、3つのグレードで比較すればパワーが落ちるだけであって、ONEの1498ccエンジンであっても高速道路での移動などをストレスなく走ることができるパワーは持っています。
※ONEとクーパーのガソリン車は1498ccと排気量は同じですが、エンジン出力、トルクが違い、クーパーの方が高性能です。

ガソリンとディーゼルのエンジンの違いについてですが、ディーゼルの方が燃費がいいイメージなのはご存知でしょう。他にも最高出力はガソリン車の方が上ですが、ディーゼル車の方がトルクが太い特徴があります。わかりやすく言うと低い回転数でもディーゼルエンジンの方が力強く走ると考えてください。ディーゼルエンジンのメリットが大きいように感じますが、同じグレードのディーゼル車はガソリン車より新車価格が13万円高く設定されています。

各グレードの詳細な仕様については下記カタログページをご覧ください。

結局、ミニ3ドアのグレードはどう決めればいい?

ミニ3ドアのグレード選びはオプションなどを比較し、ディーラーのセールスと細かく話し合いながら決めて欲しいのですが、参考までにアドバイスを。

・ミニONE:パワーはそこそこでいい、オプションが少なくても費用を抑えたい
・ミニクーパー・クーパーD:上品な質感のミニが欲しい。自分好みのミニにカスタマイズもしたい
・ミニクーパーS・クーパーSD:パワフルでしっかり走るミニが欲しい。好みのミニにカスタマイズもしたい

このように考えてみてはいかがでしょうか。

ミニ3ドア(F56)のマイナーチェンジは2度行われた

ミニ3ドア(F56)が登場したのは2014年で現在まで2度のマイナーチェンジが行われました。こちらの記事は現行モデルの新車購入ガイドになりますので、マイナーチェンジでミニ3ドア(F56)がどう変わったのかについては別記事で紹介しますが、簡単に説明すると2018年と2021年に下記のようなマイナーチェンジが行われました。マイナーチェンジ前後でデザインやエンジンの排気量変更、エンジン種類の追加、トランスミッションの変更などが行われています。

年月 マイナーチェンジ内容
2014年4月 3代目ミニ3ドア(F56)誕生
2016年4月 ミニ3ドアにディーゼルエンジンが追加
2018年1月 ミニワンのエンジン排気量が1200ccから1500ccに変更。ミニワンの新エンジンではトランスミッションも6ATから7DCT化。
2018年3月 マイナーチェンジ発表。マイナーチェンジ後モデルの国内販売は5月から。マイナーチェンジ概要としてはヘッドライトデザインの変更、ユニオンジャックデザインのテールライト採用。ガソリンエンジンのトランスミッションを6ATから7DCT化。マルチファンクションステアリング、ドライビングアシストがワン以外のグレードで標準採用。
2021年3月 フロントマスクデザインが大幅に変更。インテリアの各部デザインもアップデートされており、アダプティブクルーズコントロールが渋滞時のストップ&ゴーにも対応できるようになりました。

ミニ3ドアの特徴についてはおわかりいただけましたでしょうか?続いてはミニ3ドアのライバル車について考えていきましょう。

ミニ3ドア(F56)の最大のライバルはミニ5ドア

価格 全長 全幅 全高 乗車定員 トランク容量 燃費 最高出力 最大トルク
ミニ3ドア 267万円~ 3835 mm 1725 mm 1430 mm 4人 211L 17.8 km/L 102 ps 190 Nm
ミニ5ドア 284万円~ 4000 mm 1725 mm 1445 mm 5人 278L 17.5 km/L 136 ps 220 Nm

ミニ3ドアと同じフロントマスクデザインとボディサイズが近いMINIはミニ5ドア(F55)やミニコンバーチブル(F57)ですが、幌が開閉できるオープンカーのミニコンバーチブル(F57)はミニ3ドアと楽しみ方が少し違います。

そうなるとミニ3ドアの最大のライバルはミニ5ドアになるので、ミニONEのグレードで価格やボディサイズなどを比較してみたのが上の表です。グレードやエンジンの選択肢はミニ3ドアも5ドアもほぼ同じで、違いはミニ5ドアは後部座席のドアがあり、乗車定員が5ドアが5人、全長が約17㎝長く、トランク容量が67L大きいことです。全高もミニ5ドアの方が1.5cm高いのですが、この数値は指摘されないと気づかない程度です。

ミニ5ドアの4m全長は国産ファミリーカーと比べて特に大きいわけではありませんが、後部座席にもドアがあるメリットは家族が多い方、友人を乗せることが多い方は嬉しいポイントでしょう。

筆者はミニ3ドアに乗っていて、妻と小さな娘がいます。子供が小学校低学年になるまでは後部座席にドアがなくても問題ないと思っていましたが、チャイルドシートに座る子供の隣にいつも座る妻は「後部座席にもドアが欲しい」と常々言っています。ミニ5ドアの乗車定員は3ドアの4人ではなく5人になっていますが、車幅は3ドアも5ドアも同じ1725 mmなので後部座席に3名乗車はやや窮屈だと考えてください。

ミニ5ドアのトランクルームがミニ3ドアより61Lも大きいのは奥行の広さだと考えてください。車幅はどちらも同じなので長い荷物を載せるのはどちらも苦手です。筆者は家族でキャンプによく行くのですが、アウトドアの荷物の積載のためにミニ3ドアにルーフキャリアを取り付け、大きな荷物、長い荷物を積載できるようにしています。ルーフキャリアがあればミニ3ドアの211Lのトランク容量でもまったく問題ありません。

ミニ3ドア(F56)の他社モデルのライバルは?

価格 全長 全幅 全高 乗車定員 燃費 排気量 最高出力 最大トルク
ミニ3ドア(ONE) 267万円~ 3835 mm 1725 mm 1430 mm 4人 17.8 km/L 1498 cc 102 ps 190 Nm
フィアット 500(1.2ポップ) 200万円~ 3570 mm 1625 mm 1515 mm 4人 19.4 km/L 1240 cc 69 ps 102 Nm
BMW 1シリーズ(118i) 337万円~ 4335 mm 1800 mm 1465 mm 5人 16.8 km/L 1498 cc 140 ps 220 Nm
フォルクスワーゲン Polo(TSIトレンドライン) 229万円~ 4060 mm 1750 mm 1450 mm 5人 19.3 km/L 999 cc 95 ps 175 Nm
アウディ A1(1.0TFSI) 249万円~ 3985 mm 1740 mm 1425 mm 4人 22.9 km/L 999 cc 95 ps 160 Nm
スズキ スウィフト(XG) 153.56万円~ 3845 mm 1695 mm 1500 mm 5人 – km/L 1242 cc 91 ps 118 Nm

ミニ3ドアは指名買いが多いので、他の車に比べると比較されることは少ないですが、ミニ3ドア購入時にライバルになりそうな他社モデルとも比較してみましょう。デザインにこだわってミニ3ドアに惹かれた方が比較対象にすることがあるのはフィアット500。ミニ3ドア以上にコンパクトなサイズなのが特徴です。ミニ3ドアとフィアット500で悩まれた方は…どちらのデザインが好みなのか、ミニ3ドア以上に後部座席が狭かったり、積載性が低かったりしても大丈夫かで考えてみてください。

BMW1シリーズはミニ3ドアよりもミニクラブマンと比較対象になることが多いモデルで、全長が明らかに違い、一回り以上大きな車です。ただ、BMWの中ではミニ3ドアと同じハッチバックカテゴリなので比較対象として挙げてみました。

フォルクスワーゲン Poloとアウディ A1も両メーカーのハッチバックモデルなので比較対象として挙げましたが、どちらも全長4m前後のモデルなのでミニ5ドアのライバルモデルとして考えた方がいいかもしれません。ちなみにフォルクスワーゲンとアウディは同じグループの会社で共通部品も多く、エンジン仕様が似ています。

最後にスズキ スウィフトも比較対象として挙げてみました。ミニ3ドアとサイズが似たハッチバックモデルとして比較しましたが、ミニ3ドアのライバル車両として挙がることはあまりないでしょう。ボディサイズは確かに似ていますが、フロントマスクのデザインの違いやボディの重厚感など、価格を抑えたハッチバックモデルのスウィフトとプレミアムコンパクトと称されるミニ3ドアは単純に比較できません。どちらも試乗してみればミニ3ドアの魅力がわかるでしょう。



ミニ3ドアのフルモデルチェンジは2024年でほぼ確定


最後に現行の第3世代ミニ3ドア(F56)のフルモデルチェンジについて触れておきましょう。ここ数年、メーカーからの情報リークが続き、2023年9月には電気自動車の次世代ミニ3ドア(J01)の公式リリースが発表されました。2024年に全世界で販売開始予定で、現時点では日本国内での販売スケジュールは公表されていませんが、日本でもおそらく販売開始となるでしょう。


上記が第4世代ミニ3ドアのEV(電気自動車)モデルの公式発表写真です。フロントグリル形状などは、第3世代ミニ3ドア(F56)の最後のマイナーチェンジ後のデザインを踏襲していますが、テールライトデザインがミニ伝統の縦型形状から現代的なモノに変更されています。ミニにレトロなデザインを求めている層には不満点かもしれませんが、第4世代ミニ3ドアのEVではないモデルはEVとデザインが違いそうです。

ミニには各モデルごとに開発コードというモノが振られています。例えば、第2世代ミニ3ドアだとR56、第3世代ミニ3ドアだとF56、第3世代ミニ5ドアだとF55となります。フルモデルチェンジされる第4世代ミニ3ドアの場合、電気自動車のミニ3ドアがJ01、それ以外のエンジン搭載モデルの第4世代ミニ3ドアの開発コードはF66となっています。このことからわかるように、第4世代ではEVのミニ3ドアとエンジン搭載モデルのミニ3ドアは別モデルとして扱われているようです。先進的なEVモデルのJ01だから、エンジン搭載モデルのF66とはデザインでも違いをつけているのではないでしょうか。

ちなみに、従来のモデルではフルモデルチェンジされたミニは、第2世代ミニ3ドアのR56から第3世代ミニ3ドアになるとF56と頭のアルファベット表記が変更されたように世代が変わるとアルファベット表記も変わるのが通常です。しかし、第4世代ミニ3ドアのエンジン搭載モデルはF66と「F」が踏襲されています。これは、2030年までにエンジン搭載モデルの新車販売を終了する計画をミニが持っており、第4世代ミニ3ドアのエンジン搭載モデル(F66)のエンジンは新規開発が行われておらず、現行の第3世代ミニ3ドア(F56)の改良版となっていることから「F」を冠する開発コードとなっているのではないでしょうか。