ミニの未使用車、低走行車って何?
2021年式、走行距離30kmなど、新車と同等のコンディションの最新モデルのミニが中古車検索サイトを見ると数多く見つかります。こういったミニは俗にいう「未使用車」や「低走行車」と呼ばれるクルマです。未使用車は新車を販売するディーラーが販売実績のために新車登録を済ませた車両です。ほぼ新車と言っていい車両ですが、車両登録のためわずかな走行距離は重ねられていますが、おおむね100km以下の走行距離であることが多いでしょう。未使用車は昔から言われている言葉だと新古車と呼ばれることがありますが、未使用車は自動車公正取引協議会の決まりで中古車サイトなどでは「登録済未使用車」と表示されています。
低走行車についてははっきりとした定義はありません。車は1年に1万km走るのが一般的とされていて、新車購入から売却や下取りまでの所有年数×1万kmより実際の走行距離が少ないと「年式の割に低走行」と言えます。ただ、こちらの記事では最新モデルでありながら、走行距離1000kmに満たない、未使用車とは言えないミニを「低走行車」として扱います。
新車同等のコンディションでありながら、新車に比べると価格がリーズナブルと良いことばかりの未使用車、低走行車ですが、購入するのはいいことばかりなのでしょうか? 未使用車、低走行車購入のメリットとデメリットを検証してみたいと思います。
ミニの最新モデルの未使用車、低走行車は何台くらいあるの?
まず、ミニの未使用車、低走行車がどれくらいあるのか調べてみました。調査したのはミニ3ドア(F56)です。ミニ3ドアは2021年3月にマイナーチェンジが実施されているので、2021年以降のミニ3ドアの中古車を見てみましょう。
※中古車の調査は2022年4月に実施しました。
まず、ミニ3ドアの中古車を2021年式以降、走行距離5000km以下で絞り込んでみると143台がヒットします。この中で走行距離100km以下は6台、500km以下が14台、1000km以下なら41台掲載されていました。この結果からわかるのは、2021年式以降の走行距離5000km以下のミニ3ドアのうち、この記事で紹介する未使用車、低走行車が占める割合は約28%となります。
一度登録されただけの未使用車は新車とほぼ同額で販売されている
2021年式、走行距離30km、ミニ3ドアクーパーS レザーPKG スポーツDCT (アイランドブルーメタりック)の車両価格475万円です。HDDナビをはじめ、バックカメラなどオプション装備が充実しています。ミニ3ドアクーパーSの新車価格は401万円ですが
・MINI YOURSトリム:52万円
・ブラック・ボンネット・ストライプ:2万1000円
などのオプション費用も合計すると新車購入時の車体費用は455万1000円となります。
さらに新車販売時には自動車税3万6000円、自動車重量が3万6900円、自動車リサイクル費用(約2万円)、自賠責保険代、登録時の印紙代、販売店手数料などがかかるため、同じ仕様の車両を新車で購入するとなると手数料込で480万円ほどになるでしょう。
上記で紹介した未使用車のミニ3ドアは車両価格475万円ですが、諸費用を含めた支払い総額は497万円となっています。となると新車購入時より3%ほど高額となります。なぜ新車費用より高額になってしまうのでしょうか?
なぜ未使用車のミニが新車とほぼ同額なの?
数年前までは未使用車や低走行車のミニは新車販売価格より20%ほど安く購入できました。未使用車の方が安く購入できた理由は、新車販売時に支払う必要がある3年分の自動車重量税が未使用車の場合、支払い済みなこと。さらに、書類上は別のオーナーが登録されており、新車プレミアムがないことなどが挙げられます。
しかし、今はミニの人気やコロナウイルスなどが理由の生産停滞から、新車を購入してもすぐに納車してもらうのが厳しい状況です。今後はウクライナでの戦争の影響も出てくるかもしれません。そのため、即納してもらえる未使用車や低走行車のミニの中古車は人気で、以前よりプレミアがついた価格で販売されています。その結果、新車で購入するのとほぼ同額での購入となる可能性もあります。低走行車のミニの場合は新車販売価格よりお得な価格になることが多いですが、以前のように「新車価格の8割の値段で買える!」ことは期待しない方がいいでしょう。
未使用車、低走行車のミニの購入は価格面で言えば、以前ほどのメリットはあまりなく、注文から1ヶ月ほどで納車してもらえる納車の速さがメリットと言えるでしょう。
未使用車、低走行車のミニはメーカー、ディーラー保証がたっぷり残っていて安心
未使用車、低走行車のミニのほとんどはディーラーで販売されているので、保証がしっかりしています。ディーラー以外で販売されている未使用車であってもメーカーの新車保証が残っているので、その点も安心です。何かトラブルがあっても専門知識に長けたディーラーの整備士に保証対応してもらえる可能性が高いので、一般の中古車とは安心感が違います。
好みの仕様のミニが見つかるかは運次第
未使用車、低走行車のミニを選ぶデメリットですが、好みの仕様のミニが見つかるかは運次第ということでしょう。アルミホイールや後から装着が可能なオプション装備なら購入後にカスタマイズすればいいですが、グレードやボディカラーを自由に選べるのが新車購入のメリットです。未使用車は人気のグレードや人気色、そして人気のオプションを選んでオーダーされていることが多いのですが、個性的なボディカラー、こだわったインテリアを求めると未使用車、低走行車ではなかなか見つからないかもしれません。もう一点、すでに登録されているクルマなので、車検期間が短くなるというデメリットも忘れないでください。。
1月や3月が未使用車、低走行車のミニの掘り出し物を探すベストタイミング!
新車のミニが欲しいけど、即納できるミニが欲しいという方には未使用車や低走行車はオススメです。未使用車が出やすいタイミングは、年式が変わった1月や年度末の3月に多く市場に出回ります。
また、マイナーチェンジやフルモデルチェンジのタイミングでも未使用車、低走行車のミニの流通台数は増えます。ミニの購入を急いでいない人は上記のようなタイミングを見計らって、目当てのミニの中古車在庫を細かくチェックしておきましょう。掘り出し物のミニが見つかるかもしれません。