BMWがチャレンジしたクラシックミニの電気自動車化プロジェクト
海外、特にヨーロッパで盛んなクラシックカーをEV(電気自動車)化する、いわゆる「コンバートEV」になんとBMWがチャレンジしました。BMWは2018年にもニューヨークモーターショーで「クラシックミニエレクトリック」と題したクラシックミニのEVを発表していましたが、その反響が大きかったことから今回のMINI Rechargedプロジェクトがスタートしています。
クラシックミニの優れたデザインはそのままにエンジンをEV化、最大160kmの航続距離を実現しています。現行モデルのミニクーパーSEの最大航続距離は234kmですから、バッテリーを搭載できるスペースに限りがあるクラシックミニでの160kmの走行距離は立派と言えるでしょう。
また、MINI Rechargedプロジェクトのクラシックミニに搭載したエンジンの出力は最大90kW(122ps)、これはクラシックミニの出力(62ps)のおよそ2倍になります。参考までに下記にクラシックミニのスペックを記載するので参考にしてください。
ローバーミニ クーパー1.3i | |
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4速MT (4速AT) | |
全長(mm) | 3,075 |
全幅(mm) | 1,440 |
全高(mm) | 1,330 |
ホイールベース(mm) | 2,035 |
重量(kg) | 710 (730) |
排気量(cc) | 1,271 |
最高出力(ps) | 62ps ( 53ps ) |
最大トルク | 94Nm ( 91Nm ) |
タイヤ | 145/ 70SR12 |
燃費 | — |
MINI RechargedプロジェクトのクラシックミニEVはいつでもガソリンエンジンに戻せる仕様
MINI RechargedプロジェクトのクラシックミニEVが面白いのはガソリンエンジンを下ろしてEV化しているものの、いつでもガソリンエンジンに戻せるように設計されていることです。クラシックミニへのリスペクトを持ちつつ、新しいことへチャレンジしているのがわかります。
スミス製メーターのデザインも残しながらEV仕様にカスタマイズ
クラシックミニオーナーにファンが多いスミス製メーターも活かしたままEV仕様にカスタマイズされているのも好感が持てるポイントです。バッテリー残量計もスミス製メーターを活かして製作しているところにクラシックミニ愛を感じます。
クラシックミニEVは日本国内で車検に通るのか?
MINI RechargedプロジェクトのクラシックミニEVはカスタマイズ後の検査が不要なイギリスで製作されました。日本国内でこのクラシックミニEVを走らせようとすると、車検に合格させる必要があります。このクラシックミニEVのようなコンバートEV車両が車検に通るのかですが、日本国内でも古い車のコンバートEVを手掛けている企業があり、クラシックミニやフォルクスワーゲンビートル、昔の日産ブルーバードなどのEV化とその後の車両新規登録の実績があります。
今乗っているミニのEV化、コンバートEVは可能なの?
今回はクラシックミニのEV化のご紹介でしたが、皆さんが大事に乗っているミニがEV化できればと思う方も多いでしょう。今もファンが少なくない第1世代ミニ(R50、R53)や第2世代ミニをデザインをそのままEV化できれば…面白いと思いませんか?
今回のようなコンバートEVが当たり前にでき、車検なども簡単にパスできる世の中になれば1台の車を長く、大事に維持していくこともできるかもしれません。
車のボディや足回りをそのままにバッテリーとモーター、それを制御するコンピューターシステムだけを最新のモノに更新し続けて1台のミニに何十年も載り続ける、そんなミニの楽しみ方が実現すれば面白いですね。